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Professor Rokku のワインの日々

Professor Rokku のワインの日々

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Aug 23, 2005
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さてさて、本日のメイン料理、ウナギの登場です。
ウナギ蒸し焼き バルサミコとグラス・ド・ヴィヤンドのソースで照り焼き風に レンズ豆のサラダとともに(Anguille façon “teriyaki,” reduction de barsamico, et garnis à lentilles)

フランス語の意味は、「照り焼き」に加工された(façon)ウナギ、バルサミコの煮つめ、そしてレンズ豆の付け合せ ということのようです。ちょっとここでフランス語の質問です、小田川さん。この最後のgarnis à lentilles という箇所なんですが、辞書を見ると、garnis de … と使うと書いてありました。確かに、「レンズ豆を付け合せに」という意味にするには、to, at, in よりは with のほうが適っていると思うのですが、いかがでしょうか。いつか、お暇なときにでもご教示ください。

と、小田川さんとだけの話で失礼しました。話を戻します。日本語の料理名にあるグラス・ドヴィヤンド(glace de viande)は、ご存知の方も多いと思いますが、一応語説明を試みたいと思います。Rokku には辞書しかありませんので、その説明を転用しますが、glace というのは、肉・魚などを煮詰めた汁を冷やして固まらせたもののことで、viande は肉のことです。だから、肉汁を煮つめて煮つめて、バルサミコを加えて作られたのが、小田川さん特製のウナギのたれというわけです。でも、肉汁と言いましたが、魚でもいいわけですから、もっといろいろ加えて試された結果なのかもしれません。

というか、写真で見ないと、どんなに風に蒲焼き風なのか見当がつきませんね。ご覧いただきましょう。一緒に飲んだ赤ワインをフレームに入れて、ダンに撮ってもらいました。

ウナギと赤ワイン0820

飲んだのは、コート・デュ・ローヌ、グラムノンのシエラ・デュ・スッド(Côtes du Rhône Sierra du Sud 2001, Gramenon)2001です。実に薫り高いハーブ香で、いやあいいワインを選んだもんだと、悦に入ったほどの合い方で、ぜひ試してもらいたいワインです。このワインを教えてくだすったのは、もちろん、千本セラーさん。彼は安くてうまいワインの情報を手に入れるのが本当に早いんです。

Rokku も彼のおかげでグラムノンのワインをいろいろ試しましたが、だいたいにおいて、外れはありません。ロゼなんか、安いのにとても美味しいですよ。残念ながら2001年はもう楽天内にありませんでしたから、2003年のシエラ・デュ・スッドをご紹介します。この年も南の方はブドウの出来がいいです(パーカーのヴィンテージ・ガイドによると相当高得点)から、期待できると思います。



コート・デュ・ローヌ シエラ・デュ・スッド[2003] グラムノン
価格 2,680円 (税込2,814円) 送料別
残りあと 7 本です  葡萄酒蔵ゆはらさん

さて、ウナギ料理の話です。タイトルにもあるように、見たところ、すごく蒲焼に似ています。その真意を聞いたわけではありません。ひょっとして、蒲焼みたいにしたものを Rokku が食べたいと思っていると、小田川さんは解釈なさったのかもしれません、Rokku がウナギをメインにとお願いしたときに。

Rokku はどちらでもよかった。フレンチ風に出てくるもよし、日本のウナギ風に出てくるもよし、要は、美味しくワインが飲めればよかったとも言えます。果たせるかな、ワインにはバッチリです。見た目には蒲焼風です。口に運んで咀嚼するその食感も、かかっているタレ風のソースも、蒲焼そのものと言ってもいいかもしれません。もう少しアップで撮られたものをお見せしましょう。

ウナギ0820

手前の緑は、お分かりと思いますが、オクラです。納豆のようにも見えるのがレンズ豆、上に載っているのがウナギで、ボケていてはっきりしませんが、上に黒く見えるのがタレじゃない、バルサミコとグラス・ド・ヴィヤンドです。

蒲焼そのものでしょう、見た目には? でも、ワインを飲むと、違うんです。あんなにハーブ香のきれいな赤ワインの延長線上にある、南フランスの香りとちっとも違和感のない、フレンチなのです。見た目には和食、目をつむるとフレンチ。これがコミュニカシオンの結果でなくて、いったい何だと言うのですか? Rokku はそう思いました。

そのとき、Rokku は不思議な感動を味わいました。いつもご紹介していますように、小田川さんのお店は、フランスのエスプリを感じさせるところです。ここで食事をいただきながらワインを飲んでいると、ここが治外法権特区、居留地みたいに感じるほどなんです。簡単に言うと、日本の文化から切り離されているような気がする。

ところが、Rokku は初めて、そこに日本のエスプリを感じたのです。ここに暖簾を掛けて鰻屋をやったら面白い、そんな妄想が湧いてきたのです。だから、Rokku は、どんぶりにご飯を入れて、この料理を載せて食べても違和感がない。きっと美味しい!と言ったのです。しかも赤ワインに合う!

言うまでもありませんが、それは Rokku にとって最大の賛辞です。小田川さん、とうとう、日本とフランスの融合に成功しましたね、これは真の意味でヌヴェル・キュイジーヌですよ! そういう意味で言ったのです。

ところが、思いもかけないことに、ここでケイトが、ちょっと待って、それって誉めてることにならないでしょ、あんたの言っていることはおかしいわよ、と言うのです。足を引きずりながら……。

ケイトの言わんとするところはこうです。ここはフレンチのお店である。そこで客が鰻を食べたいと言えば、フレンチの鰻を意味するに決まっている。シェフだってそれを標榜して作るはずだ。それをまるでうな丼にでもなるような料理だねと客が言ったら、それは侮辱ではないか、と言うのです。

普通の文脈であれば、Rokku もケイトの主張に賛同します。しかし、ことウナギに関してはどうなのでしょうか。小田川さんは、それまでにも再三フランスのウナギがバカデカイこと、ものすごく太くて、輪切りにして食べること、味が大味であること、を言及してくださいました。それは、言い換えれば、日本の鰻と似て非なるものということを意味するのではないでしょうか。

もしそうであるのなら、日本の鰻をよく知っている者にとって、しかもそこに食材としての日本の鰻がある以上(もっともその鰻自体が輸入ものなんですが)、この国で美味しく鰻を食べる食文化を無視して、フランスのものだけをありがたがるやり方は、果たして正しいのでしょうか。しかも、今はコミュニカシオンの時代なのです。文化という名の私たちの生活実感を大事にした上で、学んだ文化のすべてをそこに投入して、新しいものを作る。こんな素晴らしいコミュニケーションはないと思うのです。

で、料理をめぐる Rokku とケイトの論争は、今度は小田川さんにお願いしてフランスからウナギを輸入していただき、それを調理してもらうか、素直にフランスへ行くかだね、という結論を得て収束しました。めでたし、めでたし。

長くなったので、デザートは明日にします。





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Last updated  Aug 23, 2005 11:23:19 AM
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