Peaceful Love from Germany

日の長さが確実に短くなってきている。

夜10時過ぎまで明るかった空、今では8時には日が落ちるようになった。



これからどんどん日が短くなってゆくのかと思いながらも、

まだまだ続く厳しい残暑、真夏の気分で「暑いねー」と漏らす。





我が家のある路地へと繋がる坂道には

様々なこじんまりとしたお店が並び

私は坂を登り下りしつつ、そこの人々を観察するのが日課になっている。




無名のアーティストが個展を開く小さなギャラリーや

顔見知りの人で賑わう小さなカフェ、

お気に入りのイタリアンワイン専門店に

トルコ人経営のインターネットカフェ。





彼らのお店の前には個々

小さなテーブルと幾つかの心地よいソファや椅子が置かれ、

仕事なのかその合間なのかもわからないような頻繁な感覚で

そこに座っておしゃべりをしている。




昼間は大きな器でカプチーノ

夕方からは大きなワイングラスでワインを傾けながら

会話を楽しんだり、個々に本を読んだりと

優雅なときを過ごしているのだ。





勿論お店の人たちなので、毎回顔ぶれは同じ。

通る住民も同じ。





軽い挨拶と笑顔が心地良くて、

その坂を通るたびに私も笑顔になったりする。



今日もまた

人々が夏の残りを楽しむそんな様子に微笑みかけつつ

大きなグラスの中に　優雅に揺れる赤ワインの夕べを

おすそ分けしてもらった気分のまま家へ戻ってきた。