491114 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Carpe Diem ♪

Carpe Diem ♪

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

Rosa Rossa

Rosa Rossa

Calendar

Category

Favorite Blog

ふ わ っ と。 eyebrowushiさん
かぷっとぽちっと cuppuさん
たそがれてレスポ香… めるも*さん

Freepage List

2010年07月27日
XML
カテゴリ:旅日記
酷暑の中10日後に関西行きを控えているというハードなスケジュールになってでも
どうしても観に行きたかったのがこのオルセー美術館展2010です。

オルセー美術館はパリにある駅舎を改築した19世紀以降の絵画を集めた美術館で
現在大規模な改修工事中のため主要作品が世界を巡回することとなりました。
その作品の規模・重要度はフランス大統領ニコラ・サルコジによれば
「これらの絵画がまとめてフランスを離れることは2度とない」というほどのもの。
確かに「持ち出し可能なサイズの作品で美術館の粋を集めた展覧会」
と言い切って間違いない質と量でした。

実際にパリに行ってオルセーに行ったとしてもこれらの作品を全部観ることは不可能でしょう。
美術館というものは所蔵している作品全てを常に展示しているわけではないからです。
保存のための展示替えや修復、貸し出しなどで必ずどれかの作品は欠けています。
私はフランス、とりわけパリが嫌いなので彼の地を旅することはないでしょうから
このような機会を逃すわけにはいきません。

理屈抜きで素晴らしいと思ったのがモネの「ロンドン国会議事堂」とゴッホの「星降る夜」
両者とも私の守備範囲外の画家ですがいいものはやはりいい。

「これが来てるなら観ないわけにはいかない」と思った作品は2点。

1点はアンリ・ルソーの「戦争」です。
同じルソーならもう1点の「蛇使いの女」の方が有名で人気があるし
素晴らしい作品には違いないですけどね。
「戦争」を初めて絵画集か何かで見たときの印象は今も強烈に覚えています。

ああ、戦争って、きっとこんな顔してる。

イタリア語でもスペイン語でもポルトガル語でも、
要するにラテン系の言語では「戦争」という名詞は女性名詞です。
この絵を観るとそれが納得できます。
戦争は多くの命が失われますがそうした破壊行為は
どこか子供の無邪気な残虐さと相通じるものがあります。
そして命を生み出すのが女性ならそれを摘み取るのもまた女性として表現した方がふさわしい。
かくして無邪気な表情の女の子が「戦争」の寓意としてこれ以上ない完璧な象徴になる。
ルソーが実際に何を考えてこの絵を描いたのかはわかりませんけどね。
彼はパリの税官吏を長く務めたいわば「小役人」で絵は独学で描いたものです。
従軍経験もなければ国外に旅したこともなかったはず。
そんな人がどうしてこれほど想像力に満ち溢れた作品を遺せたのか
観る者にとっては永遠の謎でしょう。少なくとも私にとっては。

そしてもう1点どうしても観たかったのがギュスターヴ・モローの「オルフェウス」

この絵を私は小学生の時から知っていました。
星座好き、ギリシャ神話好きだったのでそういう本を読み漁りましたが
「こと座」の神話の写真として使われていたのがこの絵だったのです。
白黒のほんの小さな写真でしかない「オルフェウス」は私の心を虜にしました。
「なんて美しい絵なのだろう」「海外にはこんな素晴らしいものがあるのか」と。
よく考えたら気持ち悪い小学生ですよね。
いくら美男美女とはいえ男の生首を持って立ち尽くす乙女の絵にうっとりするなんて。
担任が左遷された出来の悪い教員でなかったとしても
私のような気味の悪い小学生には手を焼いたことでしょう。

だけど美しいものはやっぱり美しい。
モローという画家は聖書や神話をモチーフにした作品を多く遺した画家ですが
中でも「サロメ」をテーマにした絵が数も多く有名です。
舞いの褒美に洗礼者ヨハネ(イエス・キリストに洗礼を施したとされる)の首を求めたという
ユダヤの王女です。
ひょっとしてモローって生首フェチ?
実生活では女性を遠ざけて死を甘美なものとして描くあたり
どこか「いってしまってる」人ではあったのでしょう。
きっと現実逃避的な性格を持ち合わせていたに違いありません。
この人は旅行どころかアトリエから出ることさえ少なかったと何かで読んだことがあります。
(違っていたらすみません)
想像の翼は才能ある人にはかくも素晴らしい(そしてすさまじい)
インスピレーションを与えるものなのですね。


繰り返しになりますがこれほどの質と量のコレクションは
パリに行ったところで簡単に観られるものではありません。
行くかどうか迷ってる方には「絶対に行った方がいい」と強くお勧めします。
会場内は混雑するし時間帯によっては入場待ちの列もできますので熱中症対策はお忘れなく。
私は7月24日の午後3時前に行って10分ほどの待ち時間でした。
8月16日まで、六本木の国立新美術館で開催です。
一般の美術館・博物館と違い火曜日休館なのでお気をつけください。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010年07月27日 23時03分58秒
コメント(0) | コメントを書く
[旅日記] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.