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カテゴリ:南仏
日曜日、夕食にこの南仏の村で出会った庭師の友人Rさんと彼の恋人Sさんを招いて庭の大きな楢の木の下で食事した。私達は接種はしていないが、Rさんは二度の接種をすませ、彼の恋人も一度目の接種をすませたそうだ。
夏のフランスは9時過ぎまで明るいので、庭の大きな楢の木の下に置いたテーブルで夕食した。10時近くになり、暗くなると、ろうそくをつけたり。結構、冷えたりもして、ちょっと軽く羽織ったり。蚊もいるので、蚊除けスプレーを退治して。 私は、Rさんのような自然を愛する人はコロナワクを拒否するだろうと思っていたが、Rさんは昔から心臓に少し問題があり、もうすぐ70代に突入するから、感染した時のことを考えてコロナワク接種したんだよ、と話す。接種の前にも病院に運ばれたこともあるようで、それで余計怖くなった、ということだった。 自分はRさんの話を聞きながら、コロナワクチンの効果はマルセイユの病院では50%か35%くらいだったか、とにかく90%というのはありえず、二度接種しても感染し、重症化したケースもあり、実はそれほど効果がないことがわかっている話や、接種した人と接種をしない人の感染率も似たようなものです、とラウルト博士が話していたことや、数年後の予測不可能とされているものであることを思い出していた。 が、こんな話をすでに接種した人にしても、もうあまり意味はないのかな、と黙っていると、夫がちらっと、接種しても感染した人はいる話やがん発生率の治験なども飛ばしたものである話をしていた。そういう夫もピストルを突きつけられて脅迫されたら、接種するかも、と笑ってはいたが。 とりあえず、マルセイユのラウルト博士も70歳以上の人は接種を勧めます、とは話したり、最近は看護婦さんにも接種したい人は応援する、としている。お年寄りには重症化を少しでも妨げるものなら、と。 けれど、ラウルト先生の病院も政府から睨まれていないわけはなく、相当慎重だとは思う。また、逆にラウルト博士の病院で働く看護従事者の中には意外に接種希望者がいて、逆に接種しちゃいけないのか、そういう風潮なのか、と思う人への配慮もあったのではないか、と思う。 接種済みの人に関して、先週だったか、一緒に食事した30代前半の若いカップルも接種済みだった。特に際立った副反応も幸いなかったようで、話題にすらならなかった。二人とも共働きで、毎日仕事で忙しくし、コロナワクチンには比較的、無頓着で、親も接種済みだし、政府がそんなに勧めるんなら、と言うのもあり、数カ月後にフランスを出て旅行するためにも接種をしておくのが一番楽だと、いう軽いノリで接種を済ませた感じだった。 そう、夫の知り合いの青年たちも海外に行くこともあり、すでに接種済みだった。 近所のベルギーの若者たちも別荘にやってきているが、彼らもみんな接種済みなんだなあ、と。 自分たちが化石に思えてくるほどだ。夫も仕事でどうしても必要となれば、接種を避けることはできなくなるんだろう。自分は接種はしない、と決めているが、どこまで抵抗できるんだろうか。 ある40代の人は被接種者で最近、コロナ感染したと知った。自宅療養中だそうだ。彼は結構スポーツマンタイプで重い柱なんかを一人で運んでリノベしてしまうくらい健康体の人だ。仕事先で密になる空間で感染したとしか思えない。 思えば、自分たちは昨年から人と出会う時は、密になる空間に長くいたことがない。 もう8月6日から非接種者の自分たちはレストランにも行けなくなり、カフェテラスにも行けないわけで、フランスでは各地で大きなデモが起こっている。これはひどい差別だ、と。 過去の歴史で、黒人をバスや列車に乗せない、とか、ユダヤ人を学校に行かせない、飲食店を密告者にさせるような形で、あの差別に満ちた世界と同じだ、と話す人々がフランスのあちこちでプラカードを掲げてデモ行進をする。これを許したら、さらに今後もっとひどくなる、と抵抗する人々。 なんというか、接種を拒否する看護婦さんには報酬を与えない、解雇してもいい、という方策まで出していることはすでにブログで触れたけれど、これはね、ひどい、と思う。 この話をすると、また長くなるので、もうやめておく。 Rさんの話に戻る。彼は若い時、ヴェルドン渓谷のどこかで泳いだりしたそうで、そこにはね、と、 マムシがたくさんいたんだよ、と。でもね、マムシはね、水中では人間を襲ってこないんだよ。 僕が泳いでいると、目の前をマムシがするすると泳いでいくんだよ、と。 それは心臓によくないでしょう?うっぎゃああ、とうなってしまう。 Rさんは、更に続けて、でも、水中からあがって、岩に手をかけた時が一番危険なんだよ。 一旦、水から上がったら、マムシも襲ってくる可能性があるから。 ええ?それも怖い。 Rさんはさらにこんなこともあったそうだ。南仏で私も一度は見たことのある鮮やかな緑色のトカゲの話で。なんと、ズボンの裾から、パニックに陥ったその緑色のトカゲが足の付け根まで這い上がり、どうにかしてズボンの外に出したそうだ。若い時でズボンの裾を絞るとか対策をせずに行ったからねえ、と。 その後は、カササギの話をしたり。カササギは、他の小鳥の赤ん坊を食べちゃったり、集団でうさぎを襲ったりする意地悪な生き物なんだよ、と。 そこで私も、うちの猫がカササギの赤ん坊をやっつけてしまった時は、カササギの親たちが悲痛な叫び声で赤ちゃんを探して、バタバタと飛び回り、大パニックで、その鳴き声にはほんとうに悲劇的なものがあった話をしたり。 最後は、彼らが見た映画で、アフリカのたこの観察日記だったようで、とても感動的だと話していた。たこって知性が高くて、愛情にも満ちていて、すごい生物だったのね、と。たぶん、違う動画だとは思うが、たこが危険を感じると、全身の色素を周囲の色に合わせて瞬時で変えてしまうのは見たことがある。 なんというか、透明タコに変身、という。人間にはできない。 こんな一見他愛ない話をして楽しい夕食を過ごした。 最近、若いカップルがくれた中古のオーブンを使って、夫は鶏の丸焼きをして、中古で初めての使用だったが、うまく焼けたのが幸い。庭に生えているタイムを添えて。 私は、トマト、バジリック、イタリアのブッファラのモッツァレラチーズにオリーブオイル大匙3杯、リンゴ酢大匙1杯、エシャロット、塩コショウのサラダ、とデザートに熟したメロンと白桃、りんごのフルーツサラダを用意。 Sさんは手作りのバナナとマンゴのタルトタタンで、生姜で少し味付けしたデザートを持ってきてくださった。これもとてもおいしかった。 そして、南仏の地元の有機ロゼ MuscaRosé La Bastide des Roseaux の甘いロゼワインを食前酒に。 食事中は、有機ワインのロゼを冷やしていただいた。 久しぶりのロゼもおいしかった。夫は最後にインドネシアのココナッツの砂糖を入れたインドネシアの香りのいいお茶を出していた。 Rさんがフランスの言い伝え dicton でね、と、こんなのがあるよ、と教えてくれた。 友達には皮をむいたりんごを、敵には皮をむいた白桃を。 何故なら、白桃の皮には栄養がたっぷりあるからなんだよ、と。 もっとも、有機でないならだめだけどねえ、と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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