ケジメとしての体験記
合格体験記、なかなかまとまらないので、もう一度過去を振り返って頭を整理してみることにしました。具体的な記述はまだ先になりそうですが、自分にとっても総括の意味があるので、書くことに決めました。まず、主題を考えてみたいと思います。ご覧になった方のご意見、お待ちしています。司法書士試験の戦略問題1.動機を継続的に強化すること。学習する過程で動機が強化されていっているか否かを点検すること(動機のメンテナンス)。動機が減退すれば受験生活は時間の無駄でしかない。私の場合、司法書士の仕事をしたいという意欲、が大きな動機の一つとなった。2.難しい試験じゃないという認識と、ナメたら一生合格できないという覚悟をもつことが必要。今年の択一のようにやけに簡単な年もある。一方で記述式がやけに今年は難しかった。この落差にこのことの必要性が如実に表現されている。また実感でもある。3.足切り基準と記述式の重要性(前置き)例えば旧司法試験は、足切り基準4段階あった。(間違っていたらごめんなさい。)しかも各段階ごとに試験日も違う。司法書士試験も足切り基準は4段階である。しかし口述は足切りともいえないので実質3段階だ。司法書士試験の怖さは3つの足切りが1日に凝縮された5時間の試験で行われるということだ。司法試験の場合択一最下位でも次に進めるが、司法書士試験の場合択一最下位ならほぼ終わりだ。どちらも7,8割であまり択一の足切り基準値は変わらない。また書士試験の場合、総合点による足切りという特徴もある。1日試験ならではの基準だ。(本題)そこで、足切り基準の明確化の必要性と記述式及び午後の試験の時間配分の重要性について述べます。a)足切り基準の明確化第一段階 午前・午後の択一両方の足切り 3万人のうち2500から3000人ぐらいが残る。第二段階 第一段階を突破したもののみを対象とする記述式による足切りこれにより、第一段階突破した人の半分以上は落とされる。第三段階 最終調整として総合点による足切りが、第一第二段階を突破した人を対象に行われる。だいだい1200人ぐらいから900人に絞るための足切り基準だ。足切りの基準を明確にすることは当たり前のことですが各自の現状を正直に見据え、戦術を立てる上で非常に重要です。段階に応じて採った僕の戦術の細かい話は‥‥。第一段階突破には竹下先生関係が最も有効だと僕は確信しています。後は自分でやれ、というのが竹下先生だと僕は思います。合格を狙う人にとっては、第二段階の記述式が天王山となると思います。(また余談ですが、今年合格者の数が意外に少なかったのは、簡裁代理権を付与する基礎となる対象を安々とは増やさないという国の姿勢の現れだと感じました。)b)記述式の重要性まず、262点中、52点しかないという配点に目を奪われてはいけない。記述式の配点の低さを問題にする資格を有するのは、一般の受験生ではなく、最終段階である1200名に残った者だけなのだ、ということを忘れないようにしたい。このことにピーンとこない人が多すぎるようだ。当の私も昨年の試験のときがそうだった。総合点上回って、記述式で足切られた苦い経験から。(理由) 本番の本試験のことを考えてみてください。5時間の試験時間のうち、記述式問題に費やす時間と頭の疲れやすさを!5時間のうち2時間近くは多くの受験生が時間と頭を使っているはずです。つまり、記述式たった2問で本試験では実質4割以上も頭を使わされるのです。しかも、一番予想しにくく、突発のアクシデントも多い、採点基準もよくわからない、などなど非常に不確定要素が多く神経を使うのが記述式試験なのです。また法務省側にも、択一は簡単にして、記述式を難しくして足切りをしていこうとしている傾向が、最近特にうかがわれます。(予備校や基礎講座の有名講師がこの点についてあまり触れない理由)予備校や有名講師は、商売上、最も広い層をターゲットとしている、つまり3万人のうち2万7千人を一番重点を置いて話をする。したがって、第一段階の択一足切りを突破させることにどうしても話の中心を持っていかざるを得ない、ということに起因しています。正直択一の足切りも突破できていない人に本気で記述式の話をしても無駄だというわけです。だから、受験生の中には、択一が高得点できるようになっったんだから、自動的に記述式もできるだろうと、試験自体をナメてしまう人が毎年現れるのです。主題の一つ皆さんは、択一35・33問、記述式20点のAさんと29・29問、記述式30点のBさんとどっちがレベル高いと思いますか?(足切り基準 択一28・26、記述式29点とします)明らかに、Bさんのほうがレベルが高いんです。これがわかるかどうか、重要です。Aさんは択一に専念したな、としか僕は思いません。択一は記述式に比べて得点を伸ばしやすいし、楽だからです。この試験で本当に労力を要するのは、択一で合格レベルを維持しながら記述式の足切りをクリアすることなんです。実は上記AさんとBさんは同一人物なんです。Bさんの成績で合格なさった方なんです。数字にはハデにあらわれないこの実力の違いを判っていただくことが僕の受験体験記の主題の一つです。もちろん、択一高得点、記述式足切り突破または高得点が一番いいに決まっていますが、このような方は900人の合格者のうち100人ぐらいのものでしょう。c)本当の勝負は午後の試験時間配分が勝負を決める。時間配分は訓練しないとできない。自宅での訓練には限界がある。記述式問題は何があってもおかしくない。午前中の試験や昼休みには、最大限頭を使わないこと。(つづく)