ロジャー＆ミー
マイケル・ムーアデビュー作。巷の熱も一段落し、レンタルは今が借り時ですヨ。舞台は彼の故郷であるミシガンのとある町。GM社の工場町として栄え、監督自身も一家は全てGM社社員という環境で育つ。不況を機にGM社は大量解雇を実行。町規模の失業にすさんでいく地元住人。あの手この手とまちおこしの策を投じるもことごとく失敗。それとシンクロしてマイケル・ムーアがこの悲劇を引き起した張本人GM社会長ロジャー・スミスを追跡。そう、ボウリング ・フォー・コロンバイン ではライフル協会会長に、華氏911ではG.W.ブッシュにしたように。そして最後は直球勝負。本当に聞かれたくないことを聞かれた時の人間って反応同じやん、って映画を見て思う。

この映画で印象に残った人がいる。家賃が払えなくなった元工場労働者の立ち退きを命じる強制執行人。着込んだトレンチコート姿はまるで黒人版刑事コロンボ。人情派刑事（デカ）か。「今日はクリスマスだから３件で終わり。明日から私も休むよ」ドアを叩くと黒人の一家。家財道具を家から運び出す住人に「ツリーは横にしときな、風で倒れるから」。こういうおっちゃんって、ホンマはやさしいんやろなぁ～。

もう一人は失業保険で生活する元工場労働者の女性。アホでマヌケなアメリカ白人でこの映画のエピソードが記載されていた。うさぎのシーンが残酷と問題になったと。

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さて、例のシーン。彼女はさっきまで胸に抱き愛撫していた小動物を殺め、木に逆さにぶらさげ小型ナイフで器用にさく。うさぎの頭を鉄パイプでボカボカなぐり始めたのには笑った。まるでマンガ。マイケル・ムーアはうまい。このシーンがないと映画そのものがつまらなくなる。肉を食べない私とうさぎで生計を立てる彼女とでは次元が全くちがう。どちらが高尚とかではない。彼女の行動は残酷というより、ある意味プリミティブで極めて自然だった。そう思えるぐらい印象的なシーンだった。（どうせ私はえせラスタ）。これからもマイケル・ムーアが金持ち偽善者たちを吊るし上げてくれますように。

イタリアン・ピーチ～不貞操な桃たち
ティント・ブラスはエロスの巨匠（皇帝／帝王etc.）と言われている。配給会社が考えたコピーにしては上出来。映画を見ると一目瞭然だが、本当にエロチシズムを全うしたお人だと実感。そこにはガーターベルト（ノーパン）、化繊のひらひらミニスカート（透けてる）、金髪姉ちゃん（イタリア人）など男のロマンが満載。彼が撮ると果物すらエロ（果物ってそもそもエロいか）。チロリズムと言ってしまえばミもフタもないが、隠したり出したりのサジ加減が絶妙。シリコン袋の上下運動に食傷気味の貴方に是非！ってまるでスナックで講釈たれてるスケベ親父やんか、私。