手品が佳境に差し掛かった途端、ベルがなった。

BABY BOY YOU STAY ON MY MIND FULFILL MY FANTASIES...（着メロ）

携帯の目覚まし機能は冷酷かつ非情な形で私を現実の世界へと引きずり出す。夢の途中で起こされるほど、気分の悪いことはない。隣人たちの野獣のような営みのせいで睡眠不足気味の私は、心の中で悪態をつきながらキッチンへと移動する。PC用スピーカーのコンセントがささったままなのは、昨夜落としたばかりのWalk Away From Love by Bitty Mclean（懐かしのラバーズロック♪）をヘビロテにしてたから。そいつを引っこ抜き、替わりにラジカセのコンセントを突き刺す（←タコ足買え）。AMラジオから突然流れてきたのは例の曲（↓生鮮食品のトコ参照）！え？モーツァルトやったんですか？「ではコマーシャル！」うそぉ～、題名教えてぇ～！周りに聞ける人もいない。（クラシック、最近流行りらしいけども）

朝会社に着き、一息つくや否や自分の失態を発見。スケジュールボードの部長の欄に、11/1：HQ（本社の意）と書いたつもりがHG（ハードゲイ）と記入していた。無意識って怖い。0コンマ5秒の速さで証拠隠滅（って昨日ずっとこの状態やったし・・）。自責の念にかられる暇もなく、召集がかかる。忘れてた、セミナーがあったんや。

今日はのんびり過ごそう！と思ったらコンスタントに仕事が舞込み、その度に渾身の思いでキーを打つ。「表現力100点満点です」と担当者から賛辞のメール。と思ったらその下にダメ出し。「これチンいけますかねぇ～」同僚がプラスチックケースに入ったコロッケを持って来る。「大丈夫！でも輪ゴムは外さなアカンで！」こういうことなら余裕持って答えれんねんけど・・

トイレでため息。脂とり紙も最後の一枚。ポーチの中で何が起こっていたのか、コンパクトにへばりついた羽根つきと印字されたシールをはがし、ゴミ箱へ放り投げる。鏡に向かう。「絶対ダンスやってはるって、思ってたんですよぉ～」昼休みに言われたお言葉。ここに来て３回目。そして何故かサルサ。私はレゲエです！フレアースカートが災いしているのか。確かに社交ダンス（in カルチャーセンター）風。しかしいい具合に目くらましとなり、その上のボンレスハムから視点が外れるとみた。「いつ交通事故にあっても大丈夫にしとかな！」「むだ毛処理も」「ブラがピンクでパンツが緑とか最悪」隣のGirl's Talkにおっさん（私）耳ダンボ。

久しぶりのランデブー。彼は興奮して、私のバッグにまで体当たり。膝の上に乗っかるとあ～んな格好やこ～んな格好をさらす。二人の間にはかなりの信頼関係が築かれたようだ。よく顔を見たらパーツが全体的に中心よりで、so cute。あぁっ、爪をたてないで。一足しかない網タイやねんから。ん？何かが手に当たった。それは毛とは異なり乾いた感触。と同時に鼻をつく例の匂い。それを合図に私は立ち上がった。今夜はこれでお開きにしょ。