|
《東京市場*来週の展望》(7月第1週)その2
☆来週の日本株は「次の上昇のための助走期間」となりそうだ。 日経平均株価はユーロ首脳会議の決定を受けて、6月29日に9000円台を回復。 ただし、米国の雇用統計発表を控え、ここから大きく買われる材料は乏しい。 一方で、QE3(量的緩和策第3弾)期待から極端な売りも考えにくい。 国内企業の業績回復を考えれば、現状の株価水準は割安とみられるが、中国の景気低迷懸念などもあり、本格的な上昇にはもう少し時間がかかるだろう。 来週(7月2-6日)の日経平均は、9000円を挟んだレンジでの推移を予想する。 29日にEU首脳がスペインに向けた金融支援について発言し、日経平均が9000円を突破。 今後の株価上昇に向け視界が開けてきた。 一方、欧州債務問題においては、スペインやイタリアとドイツとの方向性の違いが明確になってきており、今後はEU内の足並みの乱れがクローズアップされることも考えられる。 とはいえ、今後の日本株投資において、欧州問題に過度な懸念は必要ないだろう。 信用不安の他国への波及は考えにくく、欧州の経済対策も動きだしている。 定期的に再燃する債務危機は、「(全体の下げで)投資チャンスが来た」という程度に考えるべきだ。 では、来週も日本株が力強い上昇を続けるのかといえば、そう簡単にはいかないのが相場の難しさ。 米国ではややネガティブな景気指標の発表が続いており、来週2日に発表される米6月ISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況指数、3日の米5月製造業受注、5日の米6月雇用統計などにおいても、強気な結果は望めそうもない。 ただし、市場の関心は米国のQE3導入に移っている。 経済指標が悪化すればQE3期待で株価が買われ、改善すれば「QE3が遠のいた」として売られる逆転現象が起きつつあり、来週はQE3に期待が高まりながらも、米国株は小幅な値動きに終始すると考えられる。 一方、日本株を見てみると、先々週、先週はこれまで売られた株が買われてきた。 そのため、ある程度株価が戻ってきたこの段階では、再度の選別が始まるとみる。 自動車株など業績好転の裏付けがある銘柄は買われ続けるだろうが、一部の電気機器株や任天堂 <7974> など、業績に不安のある銘柄は、再度下値を模索することもありそうだ。 為替動向次第、原油価格次第ではあるが、来週の日経平均は8700円~来週の高値9044円のレンジを予想。 週後半に上昇機運が高まり、このレンジを上抜けるかどうか――というところだろう。 決算発表関連では、4日のイオン <8267> 、5日のセブン&アイ・ホールディングス(7&iHD) <3382> 、6日のチヨダ <8185> など、小売株で今2月期の第1四半期(3-5月)決算の発表が相次ぐ。 好業績が期待される銘柄が多い一方で、昨年の震災特需の反動で月次売上が落ち込んでいる企業もあり、発表後、大きく売られる銘柄も出てきそうだ。 株価が高値近辺にある銘柄の場合には、注意が必要となる。 来週、サプライズがあるとすれば、中国の政策動向だろう。 同国の景気刺激策が発表されれば、コマツ <6301> など建機株やユニ・チャーム <8113> など消費関連株、自動車株、鉄鋼株などが一気に動意づく。 この場合には、日経平均は9000円を大きく超えての上昇が見込まれる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 30, 2012 10:12:27 AM
コメント(0) | コメントを書く
[株式投資(IPO、東証、NY市場、CME)] カテゴリの最新記事
|