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《東京市場*来週の展望》(10月第4週)その3
■日経平均は予想外の切り返しで3週間ぶり水準に 先週(15-19日)の日経平均は予想外の大幅上昇に。 週初こそ世界経済の不透明感、ギリシャとトロイカとの協議の行方、12日の米金融決算を受けた米国市場の動向、そして、ソフトバンク<9984>とファーストリテイリング<9983>の弱い値動きなどを背景に、日経平均は一時8488.14円と2ヶ月半ぶりに8500円を割り込む局面をみせた。 しかし、その後は急速な反転をみせ、週末には約3週間ぶりに9000円を回復。 ソフトバンク<9984>が米スプリント ネクステル買収について、新株を発行しないと表明したことを受け、買い戻しが強まった。 ソフトバンクの買収に伴い為替市場では円安・ドル高に振れていたことも買い材料視された。 そのほか、予想を上回る米住宅着工件数、ゴールドマン・サックスの決算などを好感した米国市場の上昇や、欧州ではスペインの支援要請をめぐる報道などを手掛かりに上昇するなど、外部環境の改善が好感された。 さらに中国の7-9月期国内総生産(GDP)の結果を受けて中国の景気底入れ期待が高まると、コマツ<6301>、ファナック<6954>など中国関連への見直しが強まった。 前週の弱い値動きによって需給悪化が警戒されたが、ソフトバンクの切り返しが安心感につながったほか、米中の景気不安が後退し、欧州懸念が和らぐなど、外部環境の改善がリスクオンに向かわせたようである。 また、日銀が30日に開く金融政策決定会合で追加金融緩和を協議すると報じられていることも下支えとなった。 ■日米決算発表が本格化、テクニカル好転も慎重姿勢は崩せず 先週の大幅上昇により、テクニカル面では一目均衡表の転換線、雲下限、転換線、雲上限を次々と突破し、パラボリック、MACDなども陽転シグナルを発生させた。 トレンドとしては、5月急落以降の上値抵抗となる9200円レベルが意識されてくる。 一方、今週(22-26日)は日本でも決算が本格化するため、日米ともに決算要因に振らされやすくなる。 週末20日の米国市場ではハイテク企業の相次ぐさえない決算により、NYダウは200ドル超の下げとなった。 テクニカルは好転しつつも、一方向のトレンド形成は厳しそうだ。 決算を受けた動向次第では、往って来い、の展開も警戒されてくる。 ■アップルイベント、ファナック決算に関心 今週は米アップルが23日に特別イベントを開催し、小型タブレット「iPad mini」の発表が予想されている。 9月の米小売売上高は電子機器が増加分の大半を占めるなど、「iPhone5」が好調だったことを背景に、3ヶ月連続で上昇。 「iPad mini」はクリスマス商戦への起爆剤となる可能性もあり、イベントへの関心が集まることになろう。 また、アップルは25日に決算発表を予定していることもあり、電子部品などアップル関連銘柄への物色材料になりそうだ。 国内では24日にJFEHD<5411>、KDDI<9433>、任天堂<7974>、25日にファナック<6954>、キヤノン<7751>、アドバンテスト<6857>、信越化学<4063>などの決算が予定されている。 為替の円高や中国の景気減速の影響などから自動車や電気機器、機械、鉄鋼、化学セクターに対する下方修正への懸念は強い。 決算内容がアク抜け材料となれば、先週みせたリバウンド相場の持続的な展開が期待されてくる。 まずは、日経平均に対するインパクトが大きい、ファナック辺りがアク抜けをみせてくるようだと、“下方修正=アク抜け”への心理状態に向かわせよう。 また、先週の上昇については外部環境の改善に伴う買い戻しが中心とみられる。 決算が本格化するなか、国内外の機関投資家は積極的には動かないであろう。 ただし、チャイナ・リスクへの警戒は依然として根強いものの、中国の景気底入れ期待から、景気敏感株への買戻しがみられた。 中国の底入れにより、リスクヘッジで売っていた日本株へはヘッジを減らす動きも意識される。 そのほか、30日に日銀が追加緩和に踏み切る場合、国債など資産買い入れ基金の増額のほか、買い入れる国債の年限延長、上場投資信託(ETF)などの購入枠拡大が期待されている。 不動産など緩和メリットセクターへの先回り的な買いはないにせよ、ショートポジションはカバーしておきたいところであろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 21, 2012 06:52:08 AM
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