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《東京市場*来週の展望》(3月第5週)その3
■日経平均は4年半ぶりに12600円台を回復する局面も 先週(3/18-22)の日経平均は下落。米国の緩和政策の継続や、日銀の黒田新体制による大胆な金融緩和期待を背景に、日経平均は2008年9月8日以来約4年半ぶりに12600円台を回復する局面をみせた。 しかし、週を通じてキプロス支援問題が債務危機の新たな局面としてネガティブ視され、週後半にかけては、含み資産関連など相場をリードしていたセクターや銘柄に対する利益確定の流れに向かわせた。 市場は先週のように週明けに波乱展開(日経平均は300円超の下落、ユーロ・円は121円台)が起こるとの警戒もあり、先物主導によって日経平均は下げ幅を広げていた。 ■3月末の13000円「甘利越え」を意識 今週(3/25-29)は3月期企業の決算期末となる。 市場の関心は期末の日経平均の着地点。甘利経済再生担当相が2月9日の講演で日経平均に関して、「3月期末までには13000円を目指して頑張るぞという気概を示すことは大事だ」、「株価が上がっていくように次々と手を打っていきたい」と発言。 3月末の13000円、いわゆる「甘利越え」がターゲットとして意識される。 また、一層の金融緩和政策への期待の高まりにより、3月期の権利落ち後の早期の切り返しが期待される。 日経平均に対して85円程度と観測されている配当・権利落ち分を早期に埋めてくるようだと、相場の先高期待が一段と強まることになる。 ■黒田新体制による臨時会合への思惑 そのキッカケとしては、黒田新体制による臨時の金融政策決定会合への思惑が挙げられる。 市場では4月3-4日の金融政策決定会合を前に、週明け25日にも会合が行われる公算が大きいとみている。 大胆な金融緩和政策への期待から、利食いに押されていたセクターなどへの見直しが強まることが考えられる。 また、先週は不動産や倉庫などに利益確定の売りが優勢となるものの、押し目買い意欲の強さが窺えた。 相対的に出遅れているセクターへの見直しも目立つなど、アベノミクス効果に対する期待は大きい。 ■キプロス危機がハシゴを外す可能性も 一方、これらのハシゴを外す可能性があるのが、キプロス問題となる。 リスク回避やユーロ安の再燃によって、日本株高を支えてきた円安が一時的に反転する可能性がある。 なお、欧州中央銀行(ECB)は、キプロス向け緊急流動性支援(ELA)の現在の水準を25日まで維持するとの声明を発表。 欧州連合(EU)などによる金融支援策の受け入れがなければ、流動性供給を断つ構えである。週末の段階では、EUが設定した100億ユーロ(約1兆2000億円)の金融支援の条件を満たすため、大手銀行の整理や財源確保のための「連帯投資基金」設立など一連の危機対策法案を可決した。 週末22日の米国株式相場はキプロス支援合意へ の期待が相場を押し上げていた。25日の期限までに進展がみられるようだと、金融セクターなどを中心に見直し買いが強まり、「甘利越え」に近づく可能性はある。 そのほか、需給面では信用買い残高が2兆2000億円を超え、約4年8ヶ月ぶりの水準に積み上がり、信用倍率は3.61倍に上昇。戻り待ちの売り圧力などが意識されやすいが、一方で買い方の信用評価損益率は2月15日時点の-6.55%から直近で-0.86%に改善。 好需給関係が先高感を後退させないであろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 24, 2013 08:07:05 AM
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