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《東京市場*来週の展望》(6月第4週)
☆今週最大の焦点とされたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、米国の金融緩和縮小路線が明確となった。 直後の株式市場の反応は世界的に下値方向に傾いたものの、同時に為替のドル高(円安)が進み、日本企業の業績を占ううえでは好材料が増したとみたい。 目先の日本株相場は、リスク回避姿勢の強弱次第で上値が重くなることも想定される。 ただ、予想PER15倍前後の割安感や為替の円安見通しを追い風に、中期的には、主力銘柄を中心に戻りを試す展開が予想される。 今週の日経平均株価は前週比543円高の1万3230円で着地し、5週ぶりに陽線を引いた。先物主導の荒い値動きは一服。 週半ばの米FOMCでは、懸念されていたQE3(量的緩和策第3弾)の年内縮小が示されたが、市場は以前のような「リスク回避の円買い」ではなく、セオリー通りに米金利上昇に伴うドル高・円安に向かったことで、日本株にとって先の暗い状況とはならなかった。 とは言え、「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(投資家の不安が強いと上昇)が20日に昨年末以来の20ポイント台まで上昇するなど、リスクに対する投資家の姿勢は根強い。 このため、悪材料に対する反応が敏感な状況にある。 円安ではなく、米株安に引きずられた21日前場までの日経平均の動きがその証しだ。 それでも、金融緩和の拡大を続ける日銀と、緩和縮小へ向かうFRB(米連邦準備制度理事会)という構図がはっきりし、円安基調の見通しは強まった。 今期の日本企業の為替前提は1ドル=90-95円の水準に集中していることを踏まえれば、上期(4-9月)時点で収益予想の増額修正が多発する可能性が高い。 また、過去のQEの例に照らしても、米株は実際に緩和縮小が開始された直後(バーナンキFRB議長は年末までのQE3縮小開始を明言)に高値を付ける傾向がある。 中国発のリスクは油断できないが、市場では日本株への必要以上の様子見姿勢が崩れると期待される。 実際、21日後場には日経平均がプラスに転じ、一時上げ幅を300円超に広げた。 ともあれ、来週に関しては、値固めできれば良しと考える。 上値の重荷の一つである裁定買い残は今週中だいぶ調整したものの、まだフシ目の20億株付近(ピークは5月の29億株)にある。 一方で東証1部の商いは薄く、売買代金が3兆円レベルまで回復できるかがポイントだ。 下値リスクは、25日の日本時間夜に発表される米国の5月耐久財受注や5月新築住宅販売、4月S&Pケース・シラー住宅価格指数。本来市場予想上ブレが好ましいのだが、今はFRBの金融緩和縮小を揺るぎなくさせる意味で、良くても株安要因になりかねない。 日本では、参議院選挙の前哨戦となる東京都議会議員選挙が23日に実施される。 市場は自民党圧勝を想定しているとみられ、獲得議席数が思いのほか伸び悩めば悪材料視されるだろう。 アップサイドに向かう材料は、より急速な円安進行や、可能性は小さいが、中国経済に関する前向きなニュースなど。 来週は上下300円程度の値幅を基本線としつつも、下限は6月13日安値あたりの1万2400円、上限は6月5日高値付近の1万3700円というレンジを想定する。 輸出関連の好業績株の中には、先行して値を戻し始める銘柄も出てくるだろう。 14年3月期第1四半期(4-6月)の高収益が期待される村田製作所 <6981> などに注目したい。 また、リスクマネーの縮小を嫌気し売り込まれている資源株だが、一部外国人投資家が下値でまとまった買いを入れているという観測も気になるところだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 23, 2013 08:10:15 AM
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