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《東京市場*来週の展望》(7月第1週)その2
☆6月28日の東京株式市場では日経平均株価が続伸、一時510円高まで上昇し、終値は463円高の1万3677円となった。 前日の米国株式市場でNYダウが1年9カ月ぶりに3日連続で100ドル超の値上がりを記録、為替市場で一時1ドル=99円台まで円安が進んだことも支援となり、トヨタ自動車 <7203> など輸出関連の主力株を中心に幅広く買われた。 日経平均は25日、75日の両移動平均線をそろって回復、6月3日終値(1万3261円)を上回り月足は2カ月ぶりに陽線となった。 月末の株高を意識した機械的な買いも指摘されたが、7月相場に向け市場ムードは好転してきた。 <戻りを試す展開> 来週(7月1-5日)の株式相場は戻りを試す展開を予想する。 日経平均の予想レンジは1万3200-1万3900円。東証1部の売買代金が5日移動平均で2.2兆円程度と減少しており、先物主導のフレは懸念されるが相場は悪材料を徐々に消化している。 米国でのQE3(量的緩和策第3弾)の年内縮小観測に加え、中国での短期金利急上昇に伴う上海総合指数の急落など、今週まで外部環境に振り回される展開が続いた。 しかし、NYダウが持ち直してきたことや上海総合指数が落ち着きを見せ始めたことから、パニック的な売りは一巡したと判断できる。 もちろん、楽観はできない。来週は米国、中国の動向を占ううえで重要な経済指標の発表が相次ぐためだ。 米国では1日に6月ISM製造業景況指数、3日に6月ADP雇用統計、6月ISM非製造業景況指数、そして5日には最大の焦点となる6月の雇用統計が発表される。 QE3縮小の条件は米景気の持続的改善、特に雇用情勢が最大の判断材料となる。 市場予想に比べ強い景況回復を示す数値が出れば、QE3早期縮小の観測が強まり、リスクマネーが逆流する可能性はある。 ただ、金融緩和縮小はいずれ乗り越えなければならない重要イベントで、緩和のタイミングをめぐり徐々にマーケットに織り込まれていく性質のもの。 予想と大幅にカイ離した数値が出た場合は波乱要因となることは想定されるが、現時点での「最短コース」はいったん市場に浸透しつつある。 また、中国では1日に6月のPMI(製造業購買担当者指数)が公表される。悪化の度合いが焦点となろう。 こうした外部環境を横にらみしつつも、来週は徐々に国内景気や企業業績などに視点の軸足が移るタイミングでもある。 今週末に発表された5月の全国消費者物価指数や5月の有効求人倍率は、脱デフレに向けた好転の兆しを示す内容となった。 1日発表の6月の日銀短観でこうした傾向が確認されれば、好調セクターへ物色の矛先が向かう展開も想定できる。 また、7月中旬から3月期決算企業の第1四半期(4-6月=1Q)決算発表が本格化する。為替市場ではドル高・円安の基調に大きな変化は見られない。 主要企業の為替前提は1ドル=90-95円が中心で、現在の為替水準ならメリットを受ける企業は多い。 1Q決算の時点では通期予想の上方修正にまで踏み込む企業は少ないと思われるものの、好決算発表が期待できる銘柄には先取りの動きも出てこよう。 保守的な為替前提の自動車株、鉄鋼など景気敏感株が注目される。 スケジュールでは4日に参議院選挙が公示(21日投開票)され、経済政策論議が再び高まるタイミングでもある。 3-4日にはスイスのローザンヌでIOC委員に対するオリンピック開催都市の説明会が予定されている。建設株、道路株などの刺激材料となる公算がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 30, 2013 02:56:22 PM
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