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《東京市場*来週の展望》(11月第2週)その2
■ガンホー・ショックと主要企業の相次ぐ下方修正 先週の日経平均は上昇。 前週末の400円近い下落の反動もあり、週初は自律反発狙いの買いが入った。 その後も米国市場の上昇や主要企業の決算期待もあって、週半ばには14500円を回復する局面をみせた。 しかし、ガンホー<3765>が決算を機に成長鈍化懸念から急落し、ガンホー・ショックによってソーシャルゲーム関連などへ売りが波及。 さらに、アベノミクス効果で期待感が高まっていた主要企業についても、下方修正が散見され市場心理を冷ます格好に。先物市場での断続的な売りによって、週後半は不安定な相場展開となった。 ■空売り規制緩和で戻り待ちの売り優位か 景気回復や為替の円安など、アベノミクス効果によって上方修正を発表する企業が相次いでいる。 しかし、期待感が先行していた主要企業についてはコンセンサスを下回る状況や下方修正がみられ、投資家心理は一気に冷え込んでしまったように映る。 また、ガンホーの急落がソーシャルゲーム関連への狼狽売りに波及しており、一気に需給環境が悪化してきている。 今週も引き続き決算発表が本格化するなか、方向感の掴みづらい相場展開になりそうである。中小型銘柄などは好決算を素直に好感する流れになるとみられるが、主力の大型株については余程のサプライズがない限り、利益確定の流れに向かわせそうである。 また、5日からは空売り規制が緩和される。これまで相場の下落に歯止めをかける対策としての規制であったため、正常化に戻る点ではいいことである。 ただし、現在の不安定な状況のなかでは、売りからのトレードがしやすくなると考えられ、足元でトレンドが崩れた銘柄などへは、押し目局面でのリバウンド狙いよりも、戻り待ちの売りが優位になりそうだ。 ■買い残高は3兆円超え、需給状況は変化 10月25日申し込み時点の2市場信用残高では、金額ベースで買い残高が8月9日時点以来の3兆円を超えている。 評価損益率は依然として買い方優位の状況ではあるが、先週後半の弱い値動きによって、需給状況は変化していると考えられる。 買い残高の整理に進捗が見られてこないと、売り方の仕掛け的な売買は次第に強まることが考えられる。 ■米国は円安をけん制 1日の米国株式相場では、10月のISM製造業景況感指数が5ヶ月連続で上昇し2年半ぶりの高水準を回復したことが好感された。この流れを受けて、週初はリバウンドが期待されるところであろう。 もっとも、米国では8日に10月の雇用統計の発表が予定されている。 政府機関の一部閉鎖を受けて悪化することは織り込み済みであり、再び量的緩和政策の縮小時期がさらに先送りされるとの見解ともなれば、日米金利差の拡大は見込みにくく、円相場はドル安・円高傾向が強まるだろう。 米財務省が発表した半年に1度の外国為替報告書では、日本が円安に誘導する目的で財政や金融政策を実施しないよう「引き続き注視する」とけん制している。 ■日経平均の14800円処の壁は相当厚く 先週、コマツ<6301>が、通期見通しの下方修正を発表した。 且つ、為替想定レートを1ドル96円50銭と円安に引き上げての修正であり、伸び代がなくなってきたとの市場判断ともなれば、より、為替動向にも敏感になりやすいだろう。 輸出企業の円安メリットが後退し慎重な見方が高まるなか、空売り対象にもなりやすい。 業績予想の上方修正は限定的で、市場の期待感が後退するなか、これまで3度跳ね返されている日経平均の14800円処の壁は相当厚く感じられそうだ。 戻りに鈍さが意識され始めると、年末の証券優遇税制の終了に伴う売りへの警戒も高まってきそうであり、やや悪循環の需給に向かいやすい。 もっとも、空売り規制緩和に伴う短期的な資金流入が中心と考えられ、踏ん張りが見られるようなら、その後の踏み上げ相場に発展する可能性はある。 先週の値動きを見る限りでは、ソフトバンク<9984>辺りには新規売りが入りやすいが、踏まされるパターンか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 3, 2013 08:18:57 AM
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