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《東京市場*来週の展望》(5月第5週)
☆株式相場に底値圏脱出を探るシグナルが灯(とも)り始めた。 23日の東京株式市場は寄り付きから堅調に推移し、大引けの日経平均株価は前日比124円高の1万4462円。前日のタイの軍事クーデターへのネガティブな反応は見られず、建設株、不動産株、医薬品株、証券・商品先物など幅広いセクターに買いが広がった。 日経平均はフシ目と意識される75日移動平均線に接近。 また、高ROE(自己資本利益率)銘柄などで構成されるJPX日経インデックス400は、75日線を上回った。 株式マーケットでは依然として先行きに対する疑心暗鬼のムードが強いものの、株主還元に積極的な銘柄や好業績のテーマ株を重点物色する傾向は強まっている。 相場の「長雨」状態から先んじて抜け出す銘柄観が必要な段階に入った。 日経平均は中期移動平均線である75日線を1月30日に割り込んだあと、3月7日と4月3日にそれぞれ取引時間中にクリアしたものの、終値では一度も越えられない状態が続いてきた。 しかし、5月23日は、その難関(23日現在の75日移動平均値は1万4523円)に迫った。 また、過去3年間の平均ROEや市場流動性などを重視して選ばれた400銘柄で構成されているJPX日経400は23日に75日線を上抜けた。 約4カ月ぶりのフシ目突破である。全体相場の「変化のシグナル」が一つ灯った、といえる。 機関投資家の運用の新たなベンチマークとして注目度を高めているJPX日経400のこうした比較優位の動きは、株式運用のウエートを高める方向で論議を重ねているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の動向が刺激材料になっている。 高いROEを確保する「投資魅力の高い会社」が、いずれGPIFの運用拡大のターゲットになる、という思惑が絡んでいるからだ。 もっとも、2月以降、何度か株価上昇期待が空振りに終わり、日銀の追加金融緩和期待も失望に終わったこともあって、株式市場関係者の間では先行きへの警戒ムードが依然、根強い。 しかし、安値圏で神経質な振れを示してきた日経平均とは異なり、自社株買いや増配など株主還元を積極的に進めている銘柄や、大手ゼネコン株に象徴される市場テーマに沿った好業績期待銘柄は着実に下値を切り上げているのは事実。マーケットの「懐疑」を乗り越えていく実力株の個別狙いを来週(26-30日)も徹底すべきだ。 核になるセクターは、新値追いが続く大成建設 <1801> 、や清水建設 <1803> などの大手建設株、三井不動産 <8801> をはじめとする不動産株、それに三井物産 <8031> や三菱商事 <8058> などの総合商社株とみる。 東証の調べによれば、外国人投資家は5月第3週(12-16日)、906億円の買い越しとなった。 買い越しは3週ぶり。市場全体の物色マインドが冷え込んでいる中にあって、海外投資家は予想PER13.07倍(日経225採用銘柄平均=22日現在)という割安レベルにある日本株の下値を丹念に拾っている。 こうした動きは来週も続くだろう。 当面、ウクライナの大統領選、タイのクーデーター、中国のチベット新疆自治区における爆発事件など海外情勢は気になる材料は多い。 ただ、来週は30日取引開始前に国内の4月の失業率や有効求人倍率、会計調査、全国消費者物価指数、鉱工業生産指数が一斉に発表される。 好内容が確認されれば、日経平均は今週同様、週末高を記録し、月末値は5カ月ぶりに前月比プラス転換する可能性がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 25, 2014 07:49:06 AM
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