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《東京市場*来週の展望》(6月第4週)その2
■個人から国内外の機関投資家主体に変化 先週の日経平均は上昇。週末には一時1月24日以来、約5ヶ月ぶりに15400円を回復する局面をみせた。 週初は15000円を挟んでのこう着となるなか、個人主体による中小型株の一角に資金が集中し、介護・医療ロボットやバイオ、次世代電池関連のテーマ銘柄への物色が活発だった。 17日にはミクシィ<2121>が全市場で売買代金トップとなったほか、翌18日にはサイバーダイン<7779>が売買代金トップになるなど、ヘッジファンドなど機関投資家の資金を交えての中小型株物色が本格化する様相に。 しかし、19日には様相が一変した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果および声明文で、米国の経済活動の持ち直しや低金利維持の考えが示され、これがアク抜けとなったのか、海外勢による主力株物色が強まった。 これにより日経平均は直近の戻り高値をあっさりクリアすると、その後も3月の戻り高値をクリアするなど上げ幅を広げ、1月以来の水準を回復した。 ■新たな成長戦略が閣議決定 今週は閣議決定する新たな成長戦略への期待感から堅調な相場展開が意識されそうだ。 注目されるのは、法人実効税率の引き下げと年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式運用比率の引き上げ。法人税引き下げに関しては、方針というよりは、具体的な税率に言及するかが、相場の方向性を左右させよう。 また、GPIFの運用方針見直しについては、2015年度の運用ポートフォリオを決めるにあたり、国内株式の比率がどの程度まで引き上げられるかが注目されるところ。 既に素案は伝えられているため、過度な期待感は持たない方が良さそうだが、材料出尽くしといった警戒感があることでヘッジ売り等も出やすく、これが需給に厚みをもたせている。 13日申し込み現在の2市場信用取引残高は、売り残高が5週連続で増加している状況である。 ■株主総会がピーク また、今週は株主総会が本格化する。3月決算の企業が多く、株主総会の議決権の基準日から3ヶ月以内に株主総会を開かなくてはいけないため、6月末である今週がピークとなる。 株主総会で何らかの重要な議決があるほか、企業戦略などへの思惑などから売り込みづらい地合いでもある。 なお、このところは株主総会で出席者にお土産を配るのをやめたことで、出席者が激減しているようだ。且つ、お土産をやめたことでクレームなどもあるもよう。企業の業績面ではないところでクレーム等などが聞かれ始めており、様々なタイプの参加者の資金流入によって、個人主体の売買も何かピーク感を感じてしまう。 ■好循環によって物色に広がり 物色の流れは政策期待を背景に出遅れている海外勢による見直しから、主力株にシフトしやすいだろう。 もっとも、個人主体の好循環が続いているなか、ミクシィ<2121>やサイバーダイン<7779>などへの物色があっさり終わるとも考えづらい。 また、好循環によって低位材料系の銘柄などへも物色の矛先が向かっており、主力株、中小型株、材料系低位株などで出遅れ感の目立つ銘柄へは水準訂正の買いが意識されよう。 そのほか、GPIF改革への思惑がJPX日経400への関心を高めている。 日本取引所グループは、「JPX日経インデックス400」に連動する先物の取引を、11月25日から傘下の大阪取引所で始める。 8月には構成銘柄の入れ替えが控えている。 成長戦略の発表でいったんは材料出尽くしとなったとしても、中長期的に高ROE銘柄へ関心が集まりそうだ。 なお、経済指標では国内では27日に5月全国と6月東京都区部の消費者物価指数(CPI)が発表される。 米国では23日に5月の中古住宅販売件数、24日に6月の消費者信頼感指数、5月の新築住宅販売件数、25日に5月の耐久財受注、26日に5月の個人支出・個人所得などの発表が予定されている。 中国では23日に6月のHSBC製造業PMI。 欧州では26、27日に欧州連合(EU)首脳会議が開催される。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 22, 2014 04:41:46 PM
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