東博の浮世絵展示室(1/12~)5:歌麿『青樓十二時 續』作品ほか
上野の東京国立博物館(TNM)の本館2階10室の展示(
展示作品リスト)は、2月13日(日)までです。
今回の投稿は、歌麿の作品をピックアップしました。
■ 歌麿『青樓十二時 續』作品
喜多川歌麿(1753?~1806)は、版元の
蔦屋重三郎が1797年に他界し、その後、1804年(文化1)に入牢、手鎖の刑を受け、1806年(文化3)に没する。
◆「歌麿」:『青樓十二時 續・
戌ノ刻』/大判/錦絵
・この絵は、長文の文の途中で筆を休め、禿に耳うちする場面を描く。
・戌ノ刻(いぬのこく)は、午後8時頃の時間帯。
・この時間帯、来ぬ客を待つ間に文を書く心情は、如何ほどか。
◆「歌麿」:『青樓十二時 續・
亥ノ刻』/大判/錦絵
・この絵には、描かれていない親しい相手と杯を交わしている場面。
・亥ノ刻(いのこく)は、午後10時頃の時間帯で、禿は眠い、眠い時間帯。
■【参考:『青樓十二時 續』の揃物作品】
この揃物は、歌麿四十代の作品である。
歌麿は、この『青樓青楼(せいろう)十二時 續』の作品で吉原の遊女たちの日常を表現し、彼女らの一日(24時間)の様子を描いている。
この揃物では、柱時計をこま絵として、鐘の部分に刻を記している。
揃物の全作品は、次のとおり。
【
2010年10月21日投稿】
◆『青樓十二時 續・
子ノ刻』:午前0時頃の時間帯
◆『青樓十二時 續・
丑ノ刻』:午前2時頃の時間帯
◆『青樓十二時 續・
寅ノ刻』:午前4時頃の時間帯
◆『青樓十二時 續・
卯ノ刻』:明け六つで日の出ごろ
【
2010年11月24日投稿】
◆『青樓十二時 續・
辰ノ刻』:朝の8時ごろ時間帯
◆『青樓十二時 續・
巳ノ刻』:午前10時頃の時間帯
◆『青樓十二時 續・
午ノ刻』:お昼ごろ
◆『青樓十二時 續・
未ノ刻』:午後2時頃の時間帯
【
2010年12月23日投稿】
◆『青樓十二時 續・
申ノ刻』:夕方の4時ごろ時間
◆『青樓十二時 續・
酉ノ刻』:暮れ六つで日の入りごろ
【今回投稿】
◆『青樓十二時 續・
戌ノ刻』:午後8時頃の時間帯
◆『青樓十二時 續・
亥ノ刻』:夜の10時頃の時間帯
【参考:「サントリー美術館」(六本木):「
歌麿・写楽の仕掛け人」~その名は蔦屋重三郎~】
【参考:「サントリー美術館」(六本木):「歌麿・写楽の仕掛け人」~その名は蔦屋重三郎~「
作品リスト』】
■ 3枚続作品
◆「歌麿」:『
屋根舟四手網』/大判/錦絵(3枚続)
・この絵は、屋根舟と
四手網で漁する小舟を描く。
*「喜多川歌麿」:『青樓十二時 續・亥ノ刻』(部分)
・亥ノ刻は、禿にとって、眠い、眠い時間帯