カテゴリ:2019展覧会
「横浜開港資料館」で、『横浜浮世絵の世界』展を観る
■「横浜開港資料館」 (横浜市中区) ・会場:横浜開港資料館 (館の入口) ・展示: 「横浜浮世絵の世界」 ・会期:2019年2月2日(土)~4月21日(日) ・交通アクセス:交通・アクセス ・展示チラシ:「ちらし」(両面) ■「横浜絵・開化絵」 幕末から明治期に掛けて、文明開化の横浜を描いた横浜浮世絵(横浜絵・開化絵)が流行した。 ・主な題材は、新しく開港した港(波止場)、新しい建物や町並み、外国人の洋服姿に人々の様子などである ・横浜絵は、歌川貞秀、二代歌川国輝、二代歌川広重や三代広重などの絵師によって、多くの作品が生まれた 【「神奈川県立歴史博物館」:画像で見る歴史と文化/『横浜浮世絵』】 【「横浜市HP」:中区HP/『よこはま中区の歴史を碑もとく絵地図』】 【「神奈川県立図書館」: 神奈川デジタルアーカイブ/『横浜絵・開化絵の世界』】 【過去の投稿記事:「2017年4月22日 投稿」:『横浜開港資料館「時を超えて・ハマの史跡の物語」展』】 【過去の投稿記事:「2018年1月22日 投稿」:『太田記念美術館「明治維新150年 幕末・明治 ー激動する浮世絵」展 【過去の投稿記事:「2018年5月19日 投稿」:『那珂川町馬頭広重美術館「江戸から明治へ」展(2)』】 【過去の投稿記事:「2009年5月10日 投稿」:『横浜浮世絵(横浜絵、開化絵)其の一』】 【過去の投稿記事:「2009年5月14日 投稿」:『横浜浮世絵(横浜絵、開化絵 其の二』】 【過去の投稿記事:「2009年5月16日 投稿」:『横浜浮世絵(横浜絵、開化絵)の魅力(其の三)』】 ◆「横浜開港資料館」の中庭の玉楠の樹 ■ 展示作品(一部) ◆「歌川広重」:『神奈川台石崎楼上十五景一望之図』/大判/錦絵 歌川広重(1797~1858)が横画面に、神奈川、横浜の風景を描いた作品。 ・画面の左中程に海を配し、左下から弧を描くように左上に陸地が描かれてている ・右上に、坂を登った「台町の茶屋街」、その先に「野毛海苔舟」や「横浜漁火」、「本牧舶風」が望められる ・画面上部には富士山の遠望に「芙峯遙望」と記されている 【「横浜開港資料館」:館報「開港のひろば」/第143号『企画展 神奈川宿台町からの眺望と横浜』・『台町十五景』】 【参考作品:「山田書店美術部」:豊原国周『東海道五十三次之内 神奈川宿台ヨリ十五景見渡御行列之図』】 ◆「二代歌川国貞」:『末広五十三次 神奈川』/大判/錦絵 三代豊国(1786~1865)の門人の二代歌川国貞(後の四代目豊国)(1823~1880)らの絵師によって、東海道を都に上る行列が描かれた。 ・この神奈川の作品は、竪画面の左に松を高く描き、行列が京に向かって神奈川の台の坂を下る場面が高い視点で描かれている ・神奈川の「台の丘」は、海沿いの小高い丘で、初代広重の東海道五十三次の保永堂版では、上り坂を旅人が上る場面が後方から描かれている この「末広五十三次(末広五十三駅図会)」は、55枚の揃物作品で、徳川14代将軍の家茂(1846~1866)の上洛が題材として描かれたと言われている作品で、日本橋は二代国貞が、京都は芳年(1839~1892)が作画している。 【「江戸博」:『末広五十三次』・二代国貞『末広五十三次 神奈川』 【「国立国会図書館デジタルコレクション」:『末広五十三次』・『末広五十三駅図会』・『末広五十三次 神奈川』 【参考作品:「アダチ版画」:歌川広重『東海道五拾三次 神奈川 台之景』】(保永堂版) ◆「ペリー提督 横浜上陸」 (「玉楠の樹」についての案内板) 【「横浜美術館」:伝 ペーター・B. W. ハイネ『ペルリ提督横浜上陸の図』】 【参考作品:「印刷博物館」:ヴィルヘルム・ハイネ『ペリー日本遠征の石版画』】 ◆「二代歌川国輝」:『横浜吉田橋通繁昌之図 并本町通弁天通外国館遠景』/大判/錦絵・三枚続き 歌川国輝(2代)(1830~1874)は、三代豊国(初代歌川国貞)の門人で、多くの横浜絵、開化絵を描いた。 ・この絵は、吉田橋の南詰側から海側を描き、その周辺の賑わう様子が三枚続きの大画面に描かれている ・当初の吉田橋は、港(横浜港)と市街地をつないでいた木製橋であったが、鉄橋のトラス橋(トラス構造の橋梁)に架け替えられて人気の橋となり、三代広重や貞秀らによっても描かれている 【 横浜市HP「デジタルアーカイブ都市横浜の記憶」:一曜斎国輝『横浜吉田橋通繁昌之図并本町通弁天通外国館遠景』】 【参考作品:「神奈川県立歴史博物館」:五雲亭貞秀『横浜鉄橋之図』(横六枚続き)】 【参考作品:「神奈川デジタルアーカイブ」横浜絵・開化絵の世界:三代広重『横濱吉田橋ヨリ馬車道之真景』】 【参考作品:「江戸博」:三代歌川広重『横浜吉田橋馬車道之図』】 ◆「歌川広重(三代)」:『横浜海岸通之図』/大判/錦絵・三枚続き(横浜開港資料館) 三代歌川広重(1842~1894)こと重政は、初代広重(1797~1858)の娘(養女)が二代広重(重宣)(1826~1869)と離縁した後に、婿入りして三代広重を継いだ。 ・彼は、江戸時代から明治時代にかけて活躍し、横浜絵や文明開化の作品を多く描いた。 ・この三枚続き作品は、海側から波止場の風景や荷揚げの様子が描かれ、建物の右後方には富士山が見えている ・有名な象の鼻のカーブ具合や形が分かり、帆船や桟橋に並ぶ小舟、人々が描かれている 【「神奈川歴史博」:歌川広重(三代)『横浜海岸通之図』】 【「古典籍総合データベース」:歌川広重(三代)『横浜海岸通之図』】 【参考:「横浜HP」:横浜港のご案内/横浜港の概要『象の鼻地区 歴史』・横浜港の歴史『横浜港の歴史(変遷図、年表)』】 【参考作品:「神奈川歴史博」:五雲亭貞秀『神奈川横浜案内図絵』】 【参考作品:「GASミュージアム」:収蔵品紹介/『歌川広重(三代)』】 ◆「五雲亭貞秀」:『神名川横浜新開港図』/大判/錦絵・三枚続き(横浜開港資料館) 歌川貞秀(1807~1878?)(うたがわさだひで)は、三代豊国(初代歌川国貞)の門人で、五雲亭貞秀(ごうんていさだひで)の名前でも知られ、横浜絵や鳥瞰(ちょうかん)図などが有名で空とぶ絵師とも呼ばれた。のちに、彼は橋本貞秀と称した。 ・横浜の港は1859年(安政六年)に開港し、この作品は、その翌1860年(万延元年)に、当時のメイン通りであった本町通りを本町丁目、2丁目の三又路から遠望した構図で描かれている ・画面の中央、荷車の荷台の先、運ばれている桜の木が目に止まる ・左には、日本橋越後屋の支店が店を出し、商人や見物人など様々な風景が描かれている 【「神奈川歴史博」:五雲亭貞秀『神名川横浜新開港図』】 【「文化遺産オンライン」:五雲亭貞秀『神名川横浜新開港図』】 【「国立国会図書館デジタルコレクション」:五雲亭貞秀『神名川横浜新開港図』】 【参考作品:「山田書店美術部」:国芳『横浜本町之図』】 【参考作品:「GASミュージアム」:収蔵品紹介/『橋本貞秀』】 ◆「五雲亭貞秀」:『神奈川横浜二十八景之内』/大判(中判2枚)/錦絵 五雲亭貞秀(1807~1878?)は、空とぶ絵師とも呼ばれた。彼は、のちに橋本貞秀と称した。 ・この作品は、大判に半分の中判サイズの作品が摺られている ・全作品がパネル展示されていたほかに、一部の錦絵作品(港崎遊郭(みよざきゆうかく)の岩亀楼、五十鈴楼など)が展示されていた 【「文化遺産オンライン」:五雲亭貞秀『神奈川横浜二十八景之内』】 【「山田書店美術部」:貞秀『神奈川横濱二十八景之内』】 【「国立国会図書館デジタルコレクション」:五雲亭貞秀『神奈川横浜二十八景之内』】 【参考作品:「山田書店美術部」:歌川国芳『横浜廓之図』】 【参考作品:「文化遺産オンライン」:歌川国員、五雲亭貞秀『岩亀楼并異客之図』】 【参考作品:「TOKYOアーカイブ」:落合芳幾『五ヶ国於岩亀楼酒盛之図』】 *岩亀楼があった港崎遊郭のあと地/「横浜公園」の花壇(チューリップ) 【 ページのトップに戻る 】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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March 10, 2020 07:26:33 PM
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