「文系・理系の壁とは何か?・理系教育、文理融合型教育の未来を考える」東洋大学理系教育改革シンポジュウム・9月27日・3の1
私:朝日新聞の広告に「来年の4月から東洋大学の理系学科が大きく変わる」ということで、上記のテーマでシンポジュウムを、27日(土)の13時から東京の東洋大学キャンパスで行うとあった。 そして、基調講演が伊藤忠会長の丹羽宇一郎氏の「グローバリゼイションの世界で企業が求める人材」、最後の特別講演が養老孟司氏の「理系の壁・文系の壁」ということだ。A氏:両氏とも、このブログでよく登場するね。私:そうだね。 大学の新学科の宣伝には関心はないが、二人の講演をナマで聴けるのは、めったにない機会だ。 定員700名、参加無料、メールかFAXの先着受付。 早速メールして受付に間に合ったよ。 そこで土曜日だけれど、出かけたよ。 満員の盛況だったね。 最初に、丹羽氏の基調講演だね。A氏:丹羽氏は、政府の審議会の仕事も多いから、今は大変だね。私:その話はなかったね。 話の内容は、ユーモアも交えて講演慣れしていたが、演壇の机の前に立ったまま、原稿をときどき見ながら、静かに話していたね。 後の養老孟司氏が、演壇の机のマイクを使わず、マイクを手に持って原稿なしで、ホワイトボードをときどき使い、広い演壇を自由に歩きながら話していたのと対照的だね。 その対比が面白かったね。 丹羽氏は、1989年に冷戦が終わり、グローバリゼイションが合意され、ヒト、カネ、技術が国を越えて流れだした背景から話を始めたね。 その「明」の部分もあるが「暗」の部分もあるという。A氏:「暗の部分」とは格差かね。私:低賃金の労働力がグローバリゼイションで開放されたので、先進国の共通現象として、中間層がやられ、格差が拡大した。 特に先進国では、日本が急速に格差拡大が進んだ。A氏:ヨーロッパ先進国は2桁の消費税などによる福祉政策があったせいか、格差拡大は日本ほどではなかったようだね。私:丹羽氏は、以前からあった日本産業の特徴である二重構造を原因として強調しているね。 日本の企業は全体で約570万社。 しかし、従業員300人以下の中小企業が99.8パーセント。 100人以下の小企業は99パーセント。A氏:日本の労働者総数は約5400万人といわれているから、中小企業の労働者は4700万人で、大企業の労働者は約700万人という計算になるね。私:丹羽氏によると、グローバル化で700万人のほうの給与はプラス2.1パーセント増。 4700万人のほうはマイナス3.9パーセント減。 二重構造によって、格差は加速された。 中高年で、中小企業の人の給与は大企業の半分になったという。A氏:そうすると、これからは、この99.8パーセントの「暗」に、いかに「光」を与えるかが問題になるね。 どういう対応が必要になるのだろうかね。私:それについては、明日、語ろう。