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五十目寿男の芋沢日記

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2018年02月04日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
筆者が脳梗塞で入院中、廊下を挟んだ向かい側の部屋は女性の入院患者の大部屋だった。そこに92歳になる老女が入院していた。腰がかなり曲がってしまっている。若い頃は農作業か何かでご苦労されたのであろう。

 この老女の元へ2週間に一度ほど、この息子と思われる60代の男と一緒にその連れ合いらしき女も顔を出す。そして部屋に入るなり息子は自分で腕組みしながらこの老女を叱りつける。「そうやって寝てばかりではだめだと言ってるだろう、さっさと起きてリハビリしろ」と。それに合わせて連れ合いの女性も口汚く叱る。二人のそのののしり声は、向かいの筆者たちの大部屋までよく届く。老女は仕方なさそうにベッドから起き上がると、白いズック靴を履いて曲がった腰のまま階下のリハビリ室に向かう。息子たちはそれについて行くそぶりも見せない。そしてようやく老女が部屋へ戻ってきてからも息子夫婦のその叱責は続く。

 息子当人たちは激励のつもりかもしれないが、見ているほかの患者の心持からすると明らかに虐待である。当方の部屋の連中は、その光景にみんな不満タラタラだ。

「何も92歳にもなった母親をあんな風に叱ることはないのに。これから元気にさせたってこの後何年生きられるものか、たまにしか来ない病室だ、ゆっくり母親の話を聞いたり、病室暮らしで不自由していることはないかなど、どうしてやさしく聞いてやることができないのか」

「当人たちは入院の経験がないから、あのように病人につらく当たることができるのだ。そのうち自分たちの体の自由が利かなくなってから気が付いたって遅い。まったく鬼のような息子夫婦だ」
などと、この夫婦の姿が見えなくなってからも、当方の部屋の連中の怒りは簡単にはおさまらない。

 この息子夫婦は病室を立ち去るまで一度も椅子に座ることはなく、一方的に母親を叱りつけるだけで、退出の際にも同室の患者たちに「よろしくお願いします」の言葉もない。二人の姿が見えなくなると、母親は周囲の者たちに対していかにも恥じ入るように「お騒がせして」と頭を下げる。
 病人を気遣うということは、自身がその経験のない者には難しいものらしい。筆者は自分の口から言うのもなんだが、脳梗塞で入院した経験からも、少しばかり入院患者や体の不自由な人たちへの親切心が増したように思う。ただし、それが実際にそうかどうかは家人に確かめないことにはわからない。





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最終更新日  2018年07月08日 04時08分09秒



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