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2010.05.04
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カテゴリ:マイ・ニュース

  大型連休の始めの3日間、岩手の山の中の自然林を歩いてきた。北上からローカル線で横手の方に入った、西和賀町。ここに住む写真家で自然観察家のSさん夫妻が20年前から月1回続けている「自然観察会」に、東京の友人達と参加したのだ。他の40人ほどの参加者は、ほとんどが地元や県内からという催し。
  4月の冷え込みで、桜前線が関東以北で足踏み状態だった今年は、西和賀の春も遅く、コナラ、ミズナラ、トチ、ブナなどの混じった雑木林の中は、まだ至るところ雪が残り、例年なら、無数の淡紫の小さな花弁を天に持ち上げて咲くカタクリの花の絨毯も、まだら状態。それでも、日当たりの良い斜面や、木の幹の周りなど雪の無い所には、もう少し青みかかった花をつけるヤマエンゴサクなどと混じって、お目当てのカタクリが顔を出してくれていた。雪の中も、よく見ると、カタクリの片葉が、雪を突き破って真っ直ぐ天に向かって顔を出しているのが分り、生まれ出ようとしている小さな植物の生命力に感動する。
  数人ずつの班に分れ、地元の自然観察指導員の解説を聞きながら、まだ足元が藪に覆われる前の森に分け入った。カタクリや他の花々の芽を踏まないように、皆細心の注意をしながらゆっくり歩く。狐や野ウサギの糞もある。雪解けの沢は水が溢れ、長靴を履いていなかった僕は、登山靴の中を濡らしてしまった。でも、晴れ間が広まったと思うと急にざあざあ降りになる、あいにくの天候の中、足が濡れたくらいでは大して苦にならなかった。
  目を上げると、背の高い桂の木が満開の花で枝全体を淡い赤に染めている。ユビソヤナギの枝が黄色い毛虫のような花を無数に垂らしている。どんな木にもそれぞれの花が咲き、よく見ると皆奇麗であるという、当然のことに気付かされる。まだ葉の出ていないクリやコナラの枝に、クスサンという名の蛾の蛹がくっついている。その繭の堅さ強さに舌を巻く。
  耳を澄ますと、風が木々をしならせて立てる、うなり声にも似たウォーンという音に混じって、10種類以上もの鳥の声が、チチチ、、ピヨピヨ、、ホーホーと周囲から聞こえてくる。説明の人が、指差す木の間に、その姿を発見。透明な良い声のクロツグミ、青い腹を反転して飛び去るオオルリ、海から飛んできたミサゴ(ウミワシ)もゆっくり舞っていた。木の枝をすばしこく歩いて昇り降りする珍しいキバシリという鳥も見ることが出来た。「20年以上森の観察をしていて、キバシリを見たのは3回目」と、主催者のSさん自身が興奮していた。そのSさんは、前日何かに襲われて羽だけ残っていたのを拾ったというミソサザイの羽を見せてくれた。長さ数センチの柔らかい羽を持つミソサザイは、小鳥の中でも最も小さいという。雪解けの森では、もう苛酷な生存競争が繰り広げられているのだ。
  地肌が出ている所には、フキノトウが沢山芽を出している。賑やかで華やかなのは雄花、地味で数も少ないのが雌花。でも、雄花は胞子を飛ばすと枯れてしまい、後で大きく育つのは雌花だという。フキノトウに生まれなくて幸せだったのか、どうか。根が猛毒のトリカブトと無毒で可憐な白い花を付けるニリンソウは、葉だけ見るとそっくり。茎が赤いのがトリカブト、緑なのがニリンソウ。でも、万一間違えてトリカブトを食べて死ぬのを恐れて、ニリンソウを食べる人は少ないのだと言う。説明を聞きながら、皆とても賢くなった気がした。
  林間の沢沿いを緩くS字状にカーブして1km近くも続く幅広い谷間には、ミズバショウの花の幻想的な大群が見渡す限り広がっていた。折からの春雷が運んできた滝のような雨に煙りながら、その雨に打たれるのが嬉しくてたまらないといった風情で、どの花も細かく震えている。その雨がやむと、今度は田んぼの畦道に可憐なフクジュソウの花が金色に光る。今年は遅いといわれた東北にも、ゴールデンウィークと共に、春本番が開幕していた。











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Last updated  2010.05.07 19:33:49
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