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穏やかな新年の幕開けになりました。 この一年が素晴らしい年になることを心から願っています。 「藍の風」 ミニエッセイより 「橋の色」 戦後、私が疎開した町には、まだ吊り橋があった。 手摺りも歩く所も木で、板がすいていて、 足の下に渓川の流れが見えた。 洗濯する人、牛を洗う人、対岸では米を洗う人も一緒だった。 その川を遡ると、同じような吊橋が十本以上もかかっていた。 その村の小学校に勤めていた昭和三十年の頃には、 みんな吊橋だったのに、 田の町村を巡って転勤し再びその村に戻ってみると、 渡るのが怖かった吊橋はなくなって、 全部コンクリート製になっていた。 そして、なんとすべて同じ色の朱色に塗られて、 区別がつかなくなった。 それは、緑の山河にマッチして美しかったけど、 他の土地から尋ねてくる人のことを考えれば、 紫とかピンクとか、黄色などに色分けしておいた方が 分かり易いのではないかと思った。 金色や銀色はいやらしいが、 縞もようとか水玉もようなどはどうでしょう。 お伽の国みたいで、人々の心もなごみ、 一層平和になるかもしれない。 それとも悪趣味だと反対する人もいるでしょうか。 さてあれから数十年、今は何色になっているでしょう。 昭和五十六年六月 さっちゃんが良く眺めた 住まい近くの貞光川に架かる長橋からの風景です 昭和30年頃の貞光川に架かる木の吊り橋(長橋)です 昭和34年頃、長橋は木の吊り橋から沈下橋に架け替えられました お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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