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湘南フレンチ奮闘記

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 桜が満開!今年もお約束どうり、桜の花が咲いた。

ここ平塚周辺でも満開で花見をかねて御来店のお客様を多く見かける。

桜が咲くと恒例のデザートがある。
桜のジュレだ。

このジュレは花が咲き終わると付ける実を採取、リキュールを作りジュレに仕立てたもので4月のメニューだ。

大体この地区では6月になると赤黒く熟すが、それを木に登り一粒ずつ採取、アルコールに漬けてエキスを取り出すのだが、その作業に毎年一ヶ月は取られてしまう。

この作業には閉口するのだが、出来上がるリキュールとお客様の喜ぶ顔を思うと又続けてしまう。

大体8リットルの瓶に6~7本仕込む予定で始めるのだが、8リットルの瓶には4リットルの実が必要で、全体で30リットルの実が必要となる計算だ。

だが桜の小さな実で、30リットル採取する作業は異常なほどの体力と時間を必要とする。

毎年の事ながら達成した事は無い、その一歩手前までで根と時間が尽きてしまうからだ。

自然のものはこちらの時間に収穫時期をあわしてはくれず、こちらがあわせなくてはならず、大きな犠牲を伴なう作業・・・

こうして採取した桜の実は水洗いされた後に、少量の砂糖と場合によってはレモンなども加えられ、10ヶ月冷暗所で寝かされてから、リキュールとしてテーブルにデビューする。

今回のようにデザートに加工される場合は、アルコール分を燃やして取り除いてから、ジュレに調理されるわけで、原液の半分は燃えたり蒸発して失われるわけだから、決して易い物ではなく、手間隙も考えれば、こんなに高く付くジュレも珍しいだろう思う。

そんな曰つきのデザートだが、お客様の評判は大変良い・・・

このジュレ、単品でお出しするのではなく盛り合わせの一品だ。

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Last updated  April 5, 2006 11:43:02 AM
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