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佐渡生活with子育て
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どのくらい前の出会いだったのでしょう?!
母が看護師として伺っていたからだったでしょうか?! その方は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病の方でした。 この病気ご存知でしょうか?! だんだん筋力が無くなっていき、呼吸する筋力もなくなり人工呼吸器の生活を余儀なくされ24時間体制の介護を受けなければなりません。 人工呼吸器を装着するときに声を失います。 しかし、感じること、考えることは衰えません。 母の一言で、この方のお宅に歌を届けにクリスマスに伺ったのが2002年の冬。 いろんな場所に聴きに来てくださいました。 この方とメールで連絡を取り合ったりしながら、観桜会企画し歌ったり、ミニライヴを企画したり…そして、三年前、危篤の知らせを受け佐渡から帰郷して枕もとで歌ったり…いろんなことが”春”という季節でした。 そんな春に、とうとう旅立っていかれました。 亡くなった翌日の朝、母からの電話。 ”昨日亡くなられたよ。奥様からのお願いで、お通夜に歌ってほしいそうですがどうですか?!”・・・と。 早速、メンバーに知らせ、相談。 それが、18日の朝。お通夜は19日。 私たちは、10人で活動していたアマチュアゴスペルグループ。最近はメンバーのライフスタイルや居住地の都合でほとんど活動していない。声を合わせるのも、危篤の知らせを聞いて歌いに行った三年前。 不可能だと思ったのですが、18日の夕方には8人のメンバーが集まれることが決まり、翌日の練習時間も決まっていた。(一人は、大宮から帰郷) 奥様はお通夜中に。。。と希望されたのですが、とても無理だということで、参列の方がいない状態で・・・ということにしていただき歌うことに決めた。 歌う曲は…故人が好きで、ライヴの時にアンコールもかけてくださった、この季節の曲。森山直太朗さんの”さくら” 私たちは、この一曲に集中して、各自練習をし、そしてみんなとの練習に臨んだ。 それぞれが、道中の車の中で涙しながら練習した。 思い出が走馬灯のように駆け巡る中・・・ ”さくら さくら 今 咲き誇れ 刹那に散りゆく定めと知って さらば 友よ 旅立ちの時 変わらないその笑顔で 今” ”さくら さくら ただ 舞い落ちる いつか生まれ変わることを信じ 泣くな 友よ 惜別の時 飾ないその笑顔で さあ” ”さくら さくら いざ 舞い上がれ 永遠にさんざめく光を浴びて さらば 友よ また この場所で会おう さくら舞い散る道の さくら舞い落ちる道の上で…” この歌詞を泣かずに歌えるはずがない。 でも、歌わなければ届かない。 感情は込められない。ただただ、歌うことに集中するしかない。 そこに、やはり式中に歌ってほしいとの依頼。 きっとそうなるであろうと感じていたが、メンバーの心は決まっていた。 故人の望み。と、式中に歌うことにした。 ただし、お通夜には参列せず、弔辞、母がする故人と私たちの関係や私たちの紹介、一切を聞かず、歌う場面だけの登場ということにさせていただいた。 涙の原因をシャットアウトしてのぞんだ。 目を閉じれば故人との思い出、目を開ければ遺影…この中で歌いきれるのか不安があったが、伴奏CDがかからないというアクシデントのお陰で心も落ち着き何とか歌いきることができました。 (きっと、故人が、私たちの心を落ち着かせるためにCDかからなくしたんだね~) 通夜振舞いを退席する前に、再度、奥様を前に”さくら”を歌い帰路につきました。 私たちメンバーは、故人の為に歌うということで充実した別れを悔いなくすることができたような気がします。 もし、式中に歌わなかったら、悔いも残ったでしょうし、涙も枯れることがなかったでしょう。 故人は、出棺の後、その土地で有名な何キロにも及ぶ桜並木のトンネルをくぐり 旅立って行ったそうです。 故人の大好きだった さくら舞い散る道の さくら舞い落ちる道を… ご冥福をお祈りいたします。 数えきれないほどの思い出を、そして、私たちに歌う機会と場所をくださったこと、心よりありがとうございました。 お読みいただきまして、ありごとうございました。 心より感謝いたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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