コロナウイルス感染者数の推移を見ていると、もはや野放し状態となっているような気がする。政治家や行政の人たちも、真剣な顔をして感染に注意をするようにと呼びかけているが、自分や自分の家族が罹患しない限り、本気になって取り組まないのじゃないかと思ってしまう。入院している病院や療養施設から逃げ出す人。自宅療養の名目のもと、毎晩盛り場を彷徨うおじさんなど、信じられないことが起こっている。
とはいえ、私を含めまじめな人たちは自制しながら日々の暮らしを送ってはいるのだが、果たしてこの先、世の中はどうなっていくのだろう。誰にも予測はつかない。幸いなことに田舎暮らしをしている私は、スーパーマーケットで買い物をする時以外はマスクも必要なく、ウォーキングをしたり、畑巡りをしてよそ様の畑の作物の成長を楽しんでいる。
最近は家庭内感染数が上昇し、今更ながらに独り暮らしの自由さをありがたく感じている。時々、国立に住んでいる息子が車で様子を見に来てくれるが、たまたま近所の人が来て、「アッ、東京の人が来てる」と言われた。息子のところは多摩ナンバーだがそれでも肩身が狭いらしく、これが品川や練馬ナンバーだと嫌がらせをされることもあるらしい。
近所の友人がお盆なので、茨城の実家の墓参りに行こうと思っていたら、「こんな時だから来ないでもらいたい。事態が収束してからにして」と断られたそうである。自動車で行くのだし、日帰りでもと言っても、近所の人の目があるからと重ねて断られたそうである。
大阪も感染者数が増加している。今年85歳になったひとり暮らしの従妹もさぞかし心細い思いをしているに違いない。毎年、熱中症が心配で「お盆だからと言って、この暑さの中で命がけで墓参りに行かないように」と注意をしているが、今年はコロナにも気をつけなければならない。お気に入りのマンション暮らしも、エレベーターが心配である。
昨日、ウォーキングの途中で久しぶりに会った人がいる。お互いの近況報告をしながら、「どこにも行けなくなったちゃったねぇ。せっかく10万円もらったのに…」と言われて思わず笑ってしまった。