小田原へかよって、みかん園を再生する活動
小田原の魅力とは何か、みかん園の再生活動新緑が目立ちだすころというのは、雑草が繁茂しだす時でもあります。毎週、東京・八王子から小田原のみかん園に通って、手入れをしています。自然の力というのは、すごいですから、ヘトヘトにさせられてます。縁あって、この小田原のみかん園での活動ですが。その魅力は何なのか、ヘトヘトになると、ついついそんなことはどこかに消えてしまいます。「もう、ヘトヘトで、嫌になっちゃうよ」ついつい愚痴っぽくなりがちですが、その魅力を考えてみました。というのは、そこに暮らしていると、ついついその魅力が当たり前になって、日々のくらしの苦労もあって、その宝が忘れがちになっているんですね。それで、あらためてまとめてみました。小田原の魅力は何か。第一は、相模湾を一望できる、その景観のすばらしさです。この写真は、去年の5月15日のものですが。第二は、その歴史です。日本の歴史に、少なくとも二つ。一つは鎌倉幕府の頼朝の旗揚げ古戦場であり、二つは秀吉の全国統一のための小田原攻め。ともに石橋山の古戦場、小田原城と石垣山の一夜城の跡が残っているんですね。第三はみかんと梅です。都会のすぐ近くに乱開発が規制されて、大自然のみかん畑がひろがっている。「みかんの花が咲いている」、この唱歌はこの地でつくられたんです。そして曽我の梅林。第四は、海鮮料理です。相模湾の豊かな漁場が美味しい海鮮料理を提供してくれる。時とともに魚種は変わっても、新鮮で、多彩な地魚です。蒲鉾や塩辛も。第五は、温泉です。箱根の玄関であり、箱根七湯の多彩な泉質を楽しめますし、箱根山には自然の癒しがあるんです。第六は、交通の便のよさです。東京から片路2時間くらいと利便がよくて、日帰りもできます。また、東京の消費者にたいして、美味しいみかんを届けれるわけです。第七は、人情のよさです。これは人それぞれにいろいろに個性がありますが。私などは感じるんです、一見気難しそうな一国一城のあるじの農家の人たちですが、知り合うとよい人たちばかりなんです。第八は、芸術文化です。「文学資料館」がありますが、さまざまな政治家も文化人たちも、交歓の歴史があります。数日前に、音楽家のホームコンサートを聞けたんですが、文化の輪があるということです。あくせく働いていると、ついつい忘れがちですが、こうした社会背景の中で、明日をひらくために努力をしていると、70歳は、まだ若手のうちでして、80歳・90歳代で、ますます生き生きと健康にくらしている人もおられるんです。その共同の輪になっているんです、当人たちが気づいているかどうかは知りませんが。もちろん、今の社会ですから、世知辛く、愚かな事態も多々あるわけです。かつてのみかん畑の30パーセントが、今、耕作放棄地になっているわけで、せっかくのみかんでも、姿かたちが劣ると、美味しいミカンが捨てられている。また、若ものや子弟たちが、今の農家では、とてもやっていけないわけですから、農業の苦労は、ほとんど高齢者の肩にかかっている。まともな社会的な支援というのは、私などが体験する限り、ほとんど働いてないんですね。屁理屈ばかりで、かっこだけつけている事態です。こうして、明と暗、こもごもですが。そうであればこそ、私などにもできうることで、その魅力を引き出せるように、「石垣山みかん園を再生させる」活動として、努力、協力していくということです。