大統領選挙と東京都知事選挙
7月7日の都知事選挙は、ご存知のとおり、
当 小池 291万票
石丸 165万票
蓮舫 128万票 の結果でした。
私などは、あらためて感じさせられています。
同じ選挙ですが、今行われているアメリカ大統領選挙と先の東京都知事選挙ですが、その違いを。
一、アメリカ大統領選挙の基本的姿
大統領選挙では、その候補者の発言ですが、自らの政策の内容を十分に明らかに問うているか、その点では、その中身がよく聞き取れないんですが、
しかし、候補者自身が国民に対して、自分自身でその主張を明確に表明しています。
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バイデン大統領も特別な記者会見までして、
自分がなぜ出馬を辞退してバトンタッチするか、国民に対して表明しています。
これにたいして、
先の7月7日の東京都知事選挙ですが、
候補者討論会は逃げるし、都民に対し一向に表に出ない、自ら発言しようとしない、都民の間で問題になっていることがらにまったく答えないでいて、組織の票を集めるだけで、選挙に当選しちゃった。
同じ選挙なんですが、この対照的な姿を、みなさんはどのように見ますか。
形だけは確かに同じ選挙ですが。
そもそも「選挙」というのは、候補者がどのような政策と思いをもっているか、
候補者のお互いの政策と主張の違いを明らかにして、
それによって、有権者に信を問う、支持を仰ぐということじゃないですか。
二、これにたいして、都知事選が示した姿は
この当り前な、選挙のあり方ですが、
どうして日本の場合、似て非なるものになるのか、換骨奪胎しているのか。
主張など言わなくても、政策などどうだっていい。
組織された票数(力)が上回れば、それが勝であり、それが選挙なんだと。
「勝てば官軍」です。
有権者が疑問視していたことも、いっさいしらばっくれて、綺麗ごとをならべる。
これは「居直り」というやつですね。
日本の選挙は、いつからこうなったんですかね。
政策なんか有権者の前で語らなくてもよし、
組織力さえ上回りさえすれば、選挙は勝ちだ、などと。
三、ここに日本の民主主義の課題がある
私など思うんですが、
日本は、制度として、民主主義や選挙をもっています。
それは、中国や北朝鮮などとのちがいです。
かの国々では、民主主義の実現というのは、これからの問題であり課題となっています。
日本は第二次世界大戦の敗戦にともなって、現行憲法の民主主義を国是としたんです。
ところが、その担い手となる責任者たちの認識は、中身を、内実をもっていなかった。
そこにいまの日本に見られる、あれこれの矛盾した事態が展開している。
ここに今の日本の課題があるということですね。
今、建て前としてあることの、真の内実をつくること。
いいかげんな、得て非なるものを、正していける自身の力をつくりだす。
東京都知事選挙も、これもまた、そうした日本の課題を示したと思います。
より本格的に、民主主義の内実というものをつくりだす、
得て非なる邪道がまかり通るのにたいして、
私たちは、そこを識別して、正していけるだけの力をつくらなければならないということです。
これが、日本の近代をとおしての課題であり、
さらに戦後の日本においては、切実で大事な課題となっているということですね。