武蔵野航海記

2007/09/03(月)07:55

尾瀬 24

東京電力や環境省は尾瀬沼からゴミや糞は持って帰れといっています。 ゴミ箱は一切ありませんから、ゴミは文字通り持って帰らなければなりません。 糞は実際には持って帰れませんから、代わりに持って帰ってやるから一回の糞ごとに200円払えというのです。 糞は乾燥して圧縮し外部にヘリコプターで運び出します。 この後はしかるべき場所で捨てると書いてありました。 やはり糞を邪魔者扱いしています。つまりプラスチックのゴミと同じ扱いです。 糞は農業の貴重な資源だったのですが、農業機械と農薬・化学肥料が糞を駆逐してから様々な問題が生じてきました。 糞を邪魔者扱いし、その後ひたすら農業の生産性を追及した結果、防腐剤などを使うようになり新たな問題が追加されました。 糞を邪魔者にしたのが現在の問題の発端だったのです。 糞をもう一度再利用して農薬を減らすのと、防腐剤など加工食品に化学物質を使うのを減らすのとどちらが簡単にできるかというと糞の再利用です。 また糞を農業に再利用するのは心理的な抵抗は大きいですが、理解しやすいです。 最近まで人間は糞を再利用して、自然と人間の平和な関係を維持してきたからです。 東京電力や環境省は以上に私が述べたような問題意識を持たず、一般人の感情そのままに事務処理をしているだけです。 東京電力に関してはやむをえないと思います。 一企業であり自社のイメージをアップして企業の利益を増やすのが仕事だからです。 それを無理やり一般人の神経を逆撫でして自らを苦境に追い込むことまで期待できません。 東京電力のホームページを見ると尾瀬のことを大々的に宣伝しています。 これによって原子力発電所問題などの風当たりを和らげることができれば良いわけです。 しかし環境省は東京電力とは立場が違います。 日本人の生活を守るのが仕事で、単に尾瀬の自然を守っていればすむというわけではありません。 必要なら農林省や厚生省と連携して日本人を守るのが仕事です。 ところが一般人の感情に迎合していて、敢えて問題提起をしようとするリーダーシップがありません。 環境省などは陰の薄い役所ですが、やはりこの程度のものかと感じました。

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