埼玉みらいプラン

2011/10/22(土)13:57

農業参入2年で10社

県内経済(190)

「農業参入2年で10社」読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20111021-OYT8T00007.htm  県内で一般企業の農業参入が相次いでいる。企業の農地借り入れを原則自由化する2009年12月の改正農地法施行以降、これまでに10社(計約34ヘクタール)が参入を果たした。優良食材の安定確保を目指す飲食・流通業だけでなく経営多角化を狙う異業種からの参入も目立つ。県内の地価は首都圏に近いわりに手頃なため今後も参入は続きそうだ。 ■優良農地不足が壁  都内を中心に居酒屋など約60店を展開する「豊創フーズ」は昨年10月、滑川町伊古の農業生産法人に15%出資し名称を「グリーンファームらぱん」に改めた。「らぱん」は60人のパート従業員を雇用し5ヘクタール強のハウス栽培で年間400tのトマトを出荷する大規模な農業生産法人だが「農家間の競争が激しくなる中、新品種導入や規模拡大のためには安定した経営基盤が必要」(グリーンファームの渡辺社長)として出資を受け入れた。豊創フーズは優良食材の確保とコスト削減を目的に農家との直接取引を増やしてきたが今回は一歩踏み込んで生産に関与する。農作業自体は農業生産法人に一任するが原価計算や作業工程の分析・改善といった経営ノウハウを豊創フーズが指導する。同社の高梨副社長は「生産・流通・販売のグループ一体化で収益向上を目指す」と話す。深谷市では市内のソフトウエア会社「つばさ情報」が昨年10月、ねぎなど野菜の栽培を始めた。8・5ヘクタールを数人の社員で耕しスーパーと直取引する。来年度の黒字化を目指すという。受注変動の大きさや目まぐるしい技術進歩で「企業の寿命が短い」と言われるソフトウエア業界。以前から農業に関心のあった同社の松本清社長が経営多角化のため2人の専従職員を新規採用した上で参入。社長自身、午前は畑、午後は会社と慌ただしいが「携帯電話とノートパソコンがあれば畑にいても支障はない」という。農業への参入を目指す企業の壁となっているのが優良な農地の確保だ。土地を手放すことに抵抗感を覚える農家が多く耕作放棄地の賃借物件すらなかなか見つからない。松本社長は「農地が手に入りやすくなれば、さらに新規参入が増えるだろうし、うちも規模を拡大したい」と話す。 ■県に相談、250社  農業への企業の参入の背景には改正農地法で一般企業の農業への直接参入や農家が法人化した「農業生産法人」への出資上限が25%以下から50%未満に緩和されたことが影響している。県も法改正を前にした09年4月に支援窓口を設置し農地情報の提供や交渉の仲立ちなどに乗り出した。これまでに約250社の相談を受け相当数が現在も進行中だという。県農業ビジネス支援課の話「県内の農地は東京への便の良さから利幅の大きい生鮮野菜の生産に向き、企業の関心は高い。ただ営農をやめる農家は他県ほど多くなく優良農地の不足が参入の課題となっている」

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