魚と日常ブログ

2020/02/27(木)00:12

湖魚食べまくりツアー改め湖魚美食研究会 2/15沖島魚食編

イベント(16)

前回の「沖島散歩編」の続き やっと今回のメインイベントである。 「魚を食べに」旅に出たのはいつぶりだろう… 沖島内のとあるお店にて。 琵琶湖博物館で天丼を食べておいてなんだが、「淡水魚の料理って、佃煮とかでしょ?」という偏見のもと入口をくぐると… ………へ?? ええ!?なんだこれすっげえぞ!? 最初に用意されていたものだけでも凄まじいレパートリー、超豪華飯。 皆しばし撮影にふける… 全員席につくまで何分かかったんだろう(笑) 現地で色々と支援していただいたKさんが、「(魚好きの)変態共が集まるからできるだけ色んなものを用意してほしい」と取り持ってくれたらしい。感謝感激… とりあえず席に…つく前に全員各料理の写真を撮り始めたので、お店の人が一つ一つ料理の説明をしてくれた。 まず目につくのはこの大きなニゴロブナの煮付け。琵琶湖博物館で見た一番大きなニゴロブナと同じくらいか、もっと大きいかもしれない。この時期は旬で、腹には立派な卵が入っていた。 煮付けの味付けも照り艶もとてもいい。やや甘めなのは個人的にかなり好み。 そしてこれは、予想を大きく超えてなんとフナのお刺身である。なんで生で食べられたんだろう…(ちゃんと話を聞くのを忘れたので割愛) 沖島を中心とした文化だそうで、皮ごとジョキジョキ身を切る音から「ジョキ」と呼ばれている。お皿の上半分は皮をひいて、塩茹でした卵をまぶしたいわゆる「フナの子まぶし」である。時期も合ったからかいい感じに脂が乗っていて、甘味も充分。泥臭そうなイメージを180度ひっくり返す、驚愕の旨さ。 こちらはジョキを酢味噌で和えたもの。これに使っている味噌は沖島で作っているものらしい。白味噌っぽく、麹味噌のようだった。この他、サラダにジョキをあしらったものも登場。ジョキアレンジだけでこの量である。 そしてニゴロブナと言えば、やはり鮒寿司。 鮒寿司は、作り手や手法によって味がかなり左右される。酸味が強いものからマイルドなものまで、そのバランスは様々。 珍味として自分の中では「チャレンジ料理」だったが、普通に美味しかった。酸味がある程度あって、どことなくフルーティーな味わい。酒飲みの香りがする…(笑) 後から出てきたが、鮒寿司(主に周りに漬けている「飯(いい)」)を使ったピザも出てきた。あ、チーズ的な使い方が出来るのかとここで気付く。ワインにも合いそうな予感。 こちらはホンモロコを焼いたものに酢を合わせた「モロコ酢」。ここでの会話でも「コイ系の中でトップクラスの旨さ」と話していた。腸の苦味が無く、しっかり味もある。文句無しにこの魚は美味しい。 そして定番の佃煮類。 左側はハスの幼魚で、右側は琵琶湖固有種のイサザと大豆を煮た「イサザ豆」。琵琶湖周りにはイサザやゴリ(ビワヨシノボリ?)のようなハゼをはじめ、モロコ、スジエビ、石貝など細かいものの佃煮シリーズがとにかくたくさん存在する。 ビワマスのお刺身。 これはもう、うん。何も言うことはない。だがあえて言おう「めっちゃ旨い」。 スーパーのトラウトサーモンはもちろん、アトランでもここまでの味は出せないだろう。本当に旨いのは夏だそうで、醤油を弾くくらい脂がノリノリになるらしい。なにそれすごい。 お皿いっぱいの揚げ物たち。 上から時計回りにスジエビのかき揚げ、ワカサギの天ぷら、ビワマスのフライ、手長エビ素揚げ、フナ(ヒワラ?)のフライ、そして真ん中はマジカ(ニゴイ)フライ。どれもとても美味しかった。ニゴイがふんわりして美味。 この辺でもう既に腹八分くらいまできていたが、まだまだ続く。 これはホットプレートにてハスとビワヒガイを焼いたもの。 ハスは一番大きいもので尺くらいはあったと思う。この辺りでは大きなハスを「ケタバス」と呼ぶ。ビワヒガイは移植こそあるものの、琵琶湖の固有種である。明治天皇が滋賀に訪れた際、この魚の味を気に入り献上させたという。その頃ヒガイを表す漢字がなかったため「鰉」という漢字が作られたとか。 どっちも美味しかったけど、ビワヒガイはカマスやイシモチみたいな感じの身質でなんとなくこっちの方が好き。 そしてなんといってもこのコイ鍋。 身は確かに魚なのだが、若干すき焼き風な味付けで汁は肉鍋のような味がした。これがまた非常に旨い。卵もニゴロブナに負けず劣らず良い味。 色々魚の話や水族館、博物館の話をしながら夜は更けていく。 こうした地域独特の魚料理文化に触れて、ここまでではないにしても湖の魚が食卓に上ることがなんの不思議でもない世界にお邪魔して。自分の知らないことを知ることができたことも良かったけど、地域の食文化を大事にすることの重要さを考え、思いにふけった。 そしてなにより、とても美味しかった。作ってくれたお店の人にも、この企画を進めてくれた人にも、共に魚を食べた人たちも、命をいただいた魚たちにも、ありがとう。ごちそうさまでした。…とりあえず、満腹度120パーセントです(笑) 店に着いたのが19時で、写真撮りまくってたら食べ始めたのが19時半。で、出てきたのが23時過ぎという長丁場っぷり。 この後宿に戻って二次会もあったが、ひとまず「鮒寿司パーティー」と名付けておこう。ロシアン鮒寿司から、セメダインを口にするとはこの時は思いもしなかった…(笑) 夜の漁港。 翌日は雨予報だが、風の無い湖上には星が瞬いていた。 次回「道の駅巡り編」へと続く…

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