日本酒バー開店日記

やってしまいました。
不意をつかれました。
活性にごり酒なら用心して開けるので、
時間はかかるけどまず失敗はほとんどありません。
しかし、特にこれといった表示もなかったこのお酒、
完全に油断してました。


仙禽　山廃純米無濾過生原酒（栃木県、仙禽酒造）




事前に酒屋さんから結構元気がいいとは聞いていました。
栓が飛んだという飲食店さんもあった、
という話も聞いていました。
それで、そんなに元気なんやろか？
と用心してはみたものの、
オリの量は少しもやっとしてるくらいで、
底にたまっている量もほとんどありません。
冷蔵庫に一日以上静置してあったし、
これくらいのオリならまずどうってことはないやろ。
噴きこぼれた時のためのボウルの用意も何の用心もせず、
アルミシールを剥きました。


ポンッ！！


大きな音と共に蓋が飛んでいきました。
一瞬、何が起こったか分かりませんでした。
人間はとっさの状況で概して誤った判断をしがちなものです。
直感的には正しいと思えるものの、
本来はそうすべきではない。
そんな行動を私もとってしまいました。


シュワ～という音が瓶の口から聞こえてきた時、
まずい！
と思い、とっさに私は蓋代わりに手を口に当てたのです。
しかし、手では蓋にはなりません。
勢いよく噴き出してくるお酒は手の隙間から飛び出してきます。
そのことに気付いた時にはもう手遅れでしたが、
それでも手近に大きめのカップがあったのは幸いでした。
お酒が噴き出すか噴き出さないかくらいで、
カップにお酒を移し替えすことに成功。
ジーンズとセーターに多少かかりはしたものの、
被害を最小限で食い止めることができました。
それでも一合くらいは出ちゃったのかな。
もったいないことをしました。


不意打ちをくらいはしたもののシュワシュワしたこのお酒、
シャンパン並みのガス感。
しかし、口当たりはまろやか。
でもキレはある。
一言に要約すると

「うまい！」

というわけです。
油断大敵、人間万事塞翁が馬。