敗北宣言
世界中の注目を集めたアメリカ合衆国大統領選挙、どうやら体制が決したようです。トランプ現大統領陣営の去就については、なにかと取りざたされているようですが、世界のどの国よりも民主主義を標榜する国にあって、その象徴ともいえる選挙の結果を受け入れようとしないのはいかなるゆえか?それこそが合衆国大統領の資質に欠けていることを証明しているようなものではないか。ところで今回の選挙戦の終盤の討論会では、政策論争は棚上げでお互い相手候補のことを激しく罵り合うだけの醜い姿をテレビを通じて全世界に晒した感がありました。アメリカでは、機転の効いたジョークとユーモアを話の節々に織り交ぜて話す話し手がスマートと言われ、聴衆の確かな支持を得ると聞いていますが、今回の二人の候補者にはどちらもそのようなスマートなスピーチは見られなかったのは残念です。来年1月に新しく就任されるであろうバイデン新大統領は、これから就任演説の草稿を考えておられるに違いないと想像しますが、いかなる演説をなさるのか注目されます。こういう話を物の本で読みました。大統領就任演説、これはその大統領の今後を決めるともいう大事なスピーチと捉えられているとか。だから、大統領の専門スタッフが練りに練って原稿を書き上げるのだとか。有名なジョン・F・ケネディのスピーチ。「国が君に何をしてくれるかではなく、君が国のために何をできるかを考えたまえ・・・」さらにアメリカ人の三人に一人は尊敬する人にあげるリンカーン。「人民の・人民による・人民のための政治・・・」ほんのちょっとした前置詞の置き換えで見事なスピーチを作ってしまう、感心しますね。私が感心したのは、フォードのスピーチ。彼は、アメリカでは決して名門とはいえぬ出身だそうで、自分自身よくそのことを承知していたといいます。衆目が注目する就任演説、彼は壇上に立つと、ゆっくり大衆を見回し、おもむろにこう言った。「I am FORD, not LINCOLN.」会場は、爆笑の渦とかしたそうです。高級車と大衆車をリンカーンと自分の名前に例えて、一瞬のうちに大衆の心を掴んだ。その一言で、彼は国民から晴れて大統領として認められたのだと。バイデン氏の大統領就任演説が待たれます。その先にトランプ氏の敗北宣言にも注目したいものですな。潔さにおいては過去に例のない名スピーチであることを願っています。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村