今日は少しまじめな話をします。


彼女の名前はテーちゃん。
名門タマサート大学に通う二十歳の大学生です。
高校のころから日本語を勉強しているそうです。


そして、編集者をしていたおばさんの影響（？）を受け、「はだしのゲン」の翻訳に取り組み始めたのだとか。
タイには現在のところ直訳本がなく、全１０巻中４巻までは英語からの訳で、テーちゃんが取り組んでいるのは５巻目以降なのです。


「はだしのゲン」

広島に生まれた人なら、知らない人はいないでしょう。
８月６日に起こった凄惨なジェノサイド。その悪夢に翻弄されつつも気丈に生き抜いたゲンを主人公にした物語です。
僕が小学生当時、学校の図書館にあった唯一のマンガで、ボロボロになるまで生徒から読まれていました。


僕は正直なところ、戦争にまつわる映画や物語を避けて通ってきました。
同級生に被爆２世がいるのが当たり前の状況だったためか、感受性の高揚期にある幼少の折に、トラウマが形成されたようです。
実際に、平和公園の敷地内にある原爆資料館には、小学校の遠足で行って以来、県外から来た親戚や友人を入口まで連れて行くことはあっても、自身が入ることはありませんでした。


ただ、最近になって、若いころには露として思わなかった、「平和」や「故郷」について漠然とした思いが募ってくるようになり、

「僕にでき得ることは何だろう？」

という思いに駆られるようになりました。
そんな折に、彼女の取り組みを知ったのです。


僕は、100/108ぐらいのスコアが記録できそうな煩悩人。決して聖人君主ではありません。
それでも、小さい何かを試みようと考え、一歩踏み出すことが重要だと知っているつもりです。
僕の唯一無二の能力「ネイティブ広島弁」が、彼女の大きな一歩の一助となればと思っています。


そして、この彼女の取り組みにより、一人でも多くの人に、平和を尊ぶ連鎖が起きることを祈るばかりです。




※今回の日記を書くにあたり、
スマイランド・タイランドのオトちゃんと、そのサイトに紹介されているテーちゃんに、掲載許可をいただきました。








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