テーマ:ふるさと(17)
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<蒟蒻畑>
「これが、煮しめやおでんのコンニャクになるんだよ」と、ひげのいっぱいはえた不恰好な芋を見せられたとき、にわかには信じられなかった。ブルブル弾力があって、ツルツルすべっこいから、イカやタコみたいに、コンニャクもまた海のものではないかと、幼い頭は想像していたのだ。 蒟蒻玉をお土産にもってきてくれたおばさんは、さっそく作り方を実演してみせる。ひげを取り、皮をむき、水の中へ下ろし金ですりおろし…。見ているうちに、飽きてくる。 外でいいかげん遊んでもどってきてみると、鉄鍋の底に、驚いたことに、四角ではなく、丸っこいコンニャクが、ごろんとひとつできあがっていた。 蒟蒻畑のそばを通ったり、「手作りコンニャク」なんて書かれた、手作りの看板を見かけたりすると、よく、あの遠い日のおばさんのコンニャクを思い出す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 29, 2005 08:37:46 AM
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