テーマ:ふるさと(17)
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<道祖神>
古い野道をてくてく歩けぱ、出会う道祖神たちはみな、ワガ心ハ石ニアラズ、といった表情であたたかい。 亡き人に瓜二つの道祖神に出会うことだってある。こちらが懐かしさにはっとしたとたん、石の口がほころんで、覚えのある声音で話しかけられるような気がするから不思議だ。 逆にこんな経験もあった。気さくな村のおばさんに、遠慮するなと手作り団子をすすめられ、野道をいいことに、それを食べたべ歩いていたら、ふと見た道祖神の足もとに、なんとおなじ団子が供えてある。 運悪く、人がやってきたらどうしよう。道祖神サン、モシ、誰カガ来タラ、スグニ、口ヲ開イテクダサイヨ。ソシテ、ワタシタチガ食ベテイルノハ、アナタカラ失敬した団子ジャナイト、ハヤク言ッテクダサイ。開かない、こたえてくれない、石の口が、なんと歯がゆく感じられたことか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 3, 2005 02:26:38 PM
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