テーマ:ふるさと(17)
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<村祭り>
祭りの初日が明けても、村の表情は、ふだんとあまり変わらない。野良のあちこちには、昨日とおなじように働く人の姿があった。 ただ時折、太鼓や鉦の音が聞こえてきて、ああ、きょうは間違いなくお祭りなんだな、と親戚に泊っている私たちも、わくわくしてくるのだった。 太鼓の音は、大きかったり小さかったり、間隔もまばらならば、数もたんびちがっていた。ようするにでたらめなのだが、そこがなぜか、子供の心をたまらなく掻きたてるのだった。「神様は夜おいでなさるでのぉ、お祭りは夜になってからだよ」と年寄りにいわれても、だんだん、家にじっとしていられなくなってくる。 鎮守の森にいってみると、もう、同じように宵宮を待ちきれない村の子供たちがたくさん来ていて、はしゃぎまわっている。神輿と並んでいる太鼓や鉦を、たわむれに打ち鳴らしていたのは、彼らだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 5, 2005 08:11:21 AM
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