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桜上水雀

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2010/10/09
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ちょっと前までティルト・シフト写真が持て囃されていましたがその流れは急速に収拾に向かっているようです。桜上水的にはこれで正解だと思います。

『え、なに、ティルト・シフト写真って何?』と思われた方も一度は目にしたことがあるはずだと思います。ほら、あの実際の風景をまるでミニチュアみたいに写している写真のことです。一点にだけピンが当たっていて後はぼやけてるヤツ。
実は桜上水この技法の写真が嫌いでした。

何故かといいますとこの写真を見た人は必ず『おおっ』『面白い』と思いますが感動は与えないからです。ティルト・シフトはあくまで”写真を写真とするための技法のひとつ”であり技法がメインになってはいけないと桜上水は考えます。

実はティルト、シフトに限らずライズ、フォール、スイングなどはもともと大判写真のテクニックです。そのテクニックは”本来球体である我々の知覚感覚(ま、要するに目で見た景色)”を写真と言う二次元に再現するために用いられます。
例えば我々の両眼は少なくても140度の視野を持ちます。これは135mm用レンズにすると約16~18mmです。そして、この焦点距離でパースペクティブにおいて周辺の円形のゆがみを回避することはほぼ不可能です。
このゆがみを回避する方法として大判写真ではシフトがあります。皆さんも経験があるかと思いますが35mmほどのレンズでも遠景を撮ると目で見たよりも妙に上が窄まってしまうことはありませんか?実はこれがパースペクティブ(略してパース)の弊害でして、これを回避するための技法がシフトです。要するに36×24mmのイメージサークルに対し画面上上の部分へのイメージサークルへの画像投影をわざと大きくすることによって見た目との差をなくしてしまうわけです。
(うーん自分で書いていても口で説明するのは難しい^^;)

これは我々の知覚感覚を司る器官のひとつ”目”が球体であることと決して無関係ではありません。目は一枚のレンズを通してほぼ球面に画像を認識し脳内で片目で見た一枚の平面を二枚作りそれを重ね合わせて立体感を作ります。これを平面の”知覚感覚”であるフィルムに正確に投影しようと言うのがどだい無理な話でして(完全球面のフィルムがあれば出来るかもしれませんがw)そのために擬似的に平面のイメージサークルに球面のように画像を投影するのがシフトと言うテクニックなわけです。
(やっぱ難しいなぁ^^;)

こまごまと説明しましたが要するに何が言いたいのかと言うと

『テクニックや機材に頼った写真では見る人に何の感動も与えない』

ということ。
実は最近流行だったティルト・シフト写真は大判の世界ではごくありふれたテクニックのひとつでして桜上水は写真館で働いていたころから技術のひとつとして知っています。しかしそれを使ってトイカメラ的な絵を造ろうとした人は誰もいませんでした。それはあくまで写真技術の一つであり、芸術的技法としてはあまりにもお粗末だからです。

皆さんにも経験があると思いますが非常に広角なレンズを手に入れるとついランドスケープ的な絵を連発しませんか?上がりを見て『何が面白かったんだろう?』と首を捻るようなヤツ。あれは広角の持つランドスケープ的な性質にやられてしまって自分が本来撮るべきである”芸術”から一時的に離れてしまうから。
つまり機材やテクニックだけでは写真芸術は成立しないんです。
先にあるのはあくまで”撮る人間の感性”でありテクニックや機材はそれを描くための”筆のひとつ”でしかないんです。
だからテクニックや機材の自慢でしかないティルト・シフト写真には正直うんざりしていました。あれはあれでひとつの写真芸術であることは認めますが結局感性のない写真は何処まで行っても写真芸術足りえないのですから。

とは言うものの最近の私もレンズのボケ味にばっかに頼りすぎてちょっと絵造りが疎かになっているかなぁ?^^;
ティルト・シフト写真の夜更けに反省ことしきりです。





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Last updated  2010/10/09 01:34:40 PM
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