テーマ:ミステリはお好き?(1430)
カテゴリ:本の話
『すべてがFになる』/森博嗣 推理小説というのは、小説という文系の分野にありながら、理系の要素を多分に含んだジャンルです。特に エラリー・クイーンの登場以降は、その性質が強く見られるようになります。完璧な理論展開。すべての手がかりを提示した上で行われる「読者への挑戦状」。そして、その流れを組む、最近の日本の新本格派もこのフェアな精神に乗っ取って書かれていいるものが多い。文学でありながら、数学的な理論パズルを解く能力も必要となる推理小説。数学の証明問題を思い起こさせます。 余談ですが、推理小説好きの僕は苦手の数学でも証明問題は得意でした。 そんな少なからず、理系の要素も含まれる推理小説の中でも、特に理系色が強い作家が 森博嗣さん 理系人間らしく(?)文章表現等に若干の難はありますが。。。w 本業が某国立大学の工学部助教授だけに随所に理系の知識がちりばめられていますが、それに惑わされては謎は解けませんな。。。w そこは、なるべく無視して、普通の推理小説として読むと。。。犯人もwww 文系ミステリの極地が京極夏彦とすれば、対極の理系ミステリの極地に立つのがこの人でしょう。 立ち位置こそ違いますが、この2人。作品の創り方は非常に近いモノがあると思います 10代の頃よりコンピュータサイエンスの頂点に立つ天才プログラマー真賀田四季。すでに神話的な存在であった天才少女だったが、14歳の時、情報工学博士の父親と言語学者の母親を殺害したとされて逮捕。心神耗弱状態であったとされ無罪となるが、その後人々の前から姿を消す。 孤島の研究所で研究をつづけ、未だ業界への影響力を強く持つ天才。 そんな天才学者とお嬢様学生・西之園萌絵との『羊たちの沈黙』を思わせるような面談(と言ってもモニタ越し)シーンから物語は始まる。。。 すべてがコンピュータ化された研究所内。SF映画なんかに出て来るような近未来施設を思わせる。 完全にコンピュータにより制御され、半ば監禁状態にあった四季博士。 誰も出入りする事が出来ないはずのその部屋から両手足を切断されウェディングドレスを纏った異様な状態の死体が現れる。 サブシステム・コンピュータの「予期せぬエラーが発生しました」の声が響く。。。 博士の使用していたパソコンに残された言葉 「すべてがFになる」の意味するものとは? 難しいコンピュータ用語などが飛び出て来て、理解出来ない部分もありますが、そこを無視しても楽しめました。そっちに明るい人は別の楽しみ方も出来ると思います。 本筋とは関係無いとこで、西之園さんの世間ズレしたお嬢様っぷりと、犀川先生の世間ズレした学者っぷりが楽しい。。。ww 犀川先生のような素敵な知的オジサンになりたいものですが。。。無理だろうなww 僕、理系じゃないし!!(え?そういう問題じゃない?ww お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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