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2007年02月07日
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駅ビルの6階にある書店・成風堂が舞台。
書店員の杏子とアルバイトの多絵が、書店にかかわる事件の謎解きをする短編集です。

事件といっても、描かれているのはささやかな、日常の謎と言ってもいいくらいのものです。
そして後味も良くあっさりめで、「ミステリ・フロンティア」らしい作品でした。

パンダは呟く/標野にて 君が袖振る/配達赤ずきん/六冊目のメッセージ/ディスプレイ・リプレイ

「いいよんさんわん」―近所に住む老人に頼まれたという謎の探求書リスト。
コミック『あさきゆめみし』を購入後、失踪した母の行方を探しに来た女性。
配達したばかりの雑誌に挟まれていた写真…。
駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の良いアルバイト店員・多絵のコンビが、さまざまな謎に取り組んでいく。
初の本格書店ミステリ、第一弾。


欲しい本のタイトルがわからない、またはうろ覚え、さらに間違って覚えているお客さんには困るらしいです。それは当然だと思いますが、話を聞くだけでそのタイトルを見事答えられたら嬉しいでしょうね。
そういう本の探偵に憧れます。

「六冊目のメッセージ」では、入院している娘のために母親が何度か足を運び、店員に本を選んでもらいます。
娘さんがその本を選んでくれた人を訪ねてやってくるのだけれど……という、本を通じた出会いが描かれています。

自分のために本を選んでもらうのもいいですね。
選んでもらった本を見るだけで、ある程度その人がわかるような気がします。

う~んそんな事を考えると、もしも選ぶ立場になったらすごく悩みそうです。

表題作となっている「配達赤ずきん」が好きでした。
立場は違うけれど駅前で働く人たちが、協力して事件に立ち向かうところも良い感じでした。
この話には、ちょっととぼけたキャラクターの博美という女の子の店員が出てきます。
人のお荷物になりかねないようなことしかできなくても、善意を信じて頑張っていればきっと誰かが見ててくれるし、神様は微笑んでくれるのだ、と思えます。
ドジで気が利かない私には元気の出る話でした。

この作品には実在する本の名前がぽんぽん出てきます。
その本を知っていればさらに楽しくなり、知らなければ読んでみたくなるでしょう。

表からは見えない書店の仕事も描かれているので、本が好きで本屋さんが好き、という人にはとっても楽しめると思います。

本への愛情がつまった作品でした。


  配達あかずきん : 大崎梢









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最終更新日  2009年03月17日 12時20分55秒
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