ミステリの部屋

2008/08/21(木)22:46

幻惑密室:西澤保彦

日本ミステリ(な行作家)(18)

ワンマンで女好きの社長宅で開かれた新年会。 招待された男二人と女二人は、気がつけば外に出ることが出来なくなっていた。 電話も通じない奇妙な閉じられた空間で、社長の死体が発見される。 前代未聞の密室の謎に挑戦する美少女・神麻嗣子たち。 大人気「チョーモンイン」シリーズ長編第一作、待望の文庫化。 (「BOOK」データベースより) 西澤さんの「チョーモンイン」シリーズを読み始めました。 「チョーモンイン」とは「超能力者問題秘密対策委員会」のことで、超能力を使った犯罪を取り締まる組織です。 表紙にある、袴姿で三つ編みの、中学生にしか見えない女の子が、チョーモンイン相談員見習の神麻嗣子(かんおみつぎこ)。 やり手で美人の能解警部、売れない推理作家保科と共に 超能力がらみの事件を解決していきます。 お正月、ある社長宅で殺人事件が起きたのですが、そこでは時間の流れがおかしく、出ようとしても どうしても出られない密室状態になっていました。 事件の関係者に超能力を使う者がいたに違いないと、神麻嗣子が調べ始めます。 すべて超能力のせいでした、というような話ではもちろんなくて、くくりはSFだけれど、ちゃんと論理的謎解きになっているところにさすが、と思いました。 はじめは 神麻さんがかわいすぎて、天然すぎて、ちょっとついていけないかも、と思いましたが、だんだん 不思議な設定にはこれくらい個性的な方が合っているという気がしてきました。 軽いタッチのミステリ。 3人の関係も面白く、これから先が楽しみです。 幻惑密室 :西澤保彦

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