テーマ:ミステリはお好き?(1450)
カテゴリ:日本ミステリ(ま行作家)
15世紀のイタリア北部、湖水地方。 嵐の夜、湖畔にたつ城館で、主人が壁に磔の格好で死んでいるのが発見された。 同時に闇の中に天使の姿も出現したという。 館には聖母子の姿を浮かび上がらせる奇跡の香炉―聖遺物が存在し、各地から聖職者らが派遣されていた。 事件を解決すべく、ミラノからレオナルド・ダ・ヴィンチが乗り込む。 ダ・ヴィンチの天才頭脳が、隠された謎を解く。 (「BOOK」データベースより) レオナルド・ダ・ヴィンチを探偵役にしたミステリです。 舞台は中世イタリア。 最初に見取り図も記された 変わった形の城で起きた、怪事件。 目撃された天使? 過去にこの城で敵の兵士が大量死したという言い伝え。 聖遺物の所有権問題。 雰囲気たっぷりながら、現代物のようにさらっと読むことができました。 ミラノ宰相ルドヴィコの依頼でやってきたダ・ヴィンチは、時には思わせぶりに、気まぐれに、マイペースで謎解きをしていきます。 何かと窮屈な時代において、なんと自由であることか。 城に滞在していたチェチリアが助手役ですが、美しく聡明で、彼女はまるで師匠のできのいい生徒のよう。 半ば置いてけぼりのルドヴィコとともに、3人はいい関係を作っています。 以前、読んだ『旧宮殿にて』 (この作品の後に出された短編集)が面白かったので、さかのぼって読んだのですが、今回はすぐに仕掛けがわかってしまいました。 同じような題材は幾つか見かけたことがあるので、ミステリ読みでなくても、結構察しがついてしまうかも知れません。 けれども、天才で美形のダ・ヴィンチが魅力的なところと、彼が幻想的な謎を 科学的に解き明かしていくところには、大いにロマンを感じます。 なかなか楽しい読書でした。 聖遺の天使 :三雲岳斗 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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