ミステリの部屋

2010/09/30(木)21:49

失踪症候群:貫井徳郎

日本ミステリ(な行作家)(18)

「真梨子が緊急入院したのよ、自殺未遂かもしれないって…」 原田は呼んでも一向に応えない娘に強く語りかけた。何でこんなことを…。 内容(「MARC」データベースより) 「症候群」シリーズの1作目。全部で3作あります。 刑事部長の依頼で、若者の失踪事件を捜査することになったのは、秘密警察……つまり警察の裏組織でした。 リーダーは警視庁警務部人事二課に勤める環。 私立探偵の原田、托鉢僧の武藤、肉体労働者の倉持と、元警察官のメンバーたちは、なかなか個性的です。 一見何のつながりもないような失踪事件に、ある共通点が見つかり、捜査を進めていく中で、実は原田の家族も関わっているとんでもない事実も あきらかになります。 背筋の寒くなるような悪人も登場します。 読みやすいので、さらっと読んでしまいましたが、考えてみると実際にありそうな、結構怖い話でした。 今回は原田の登場する場面が多かったのですが、秘密警察のほかの面々が活躍するところも、見たいです。 あとの2作も読もうと思います。 ポケベルで連絡を取るところには、時代を感じました。          

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