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(長いです)
親戚のおじちゃんが亡くなりました。 99歳でした。 99歳。 あともう少しで100歳だね~。 100歳になったらお祝いが届くよ~。 とみんなでおじちゃんに声を掛けながら 楽しみにしていたのでした。 随分長いこと 病院に入院していて 最初は車椅子で移動もしていたらしいけど ここ最近はすっかり寝たきりで 一日すーすー・・と静かに寝ていました。 とてもおりこうさんで 不便な入院生活に文句も言わず 呼べば人の分まで返事をし 看護婦さんたちからとても可愛がられていました。 ご飯も歯のない口でもりもり食べて 血色もよく肌なんて私よりキメが細かい。 うっすらとピンク色に染まったほっぺた。 薄いほとんど毛のない頭と 境目がわからないおでこを 行くたびに「さわらせてね~」と すりすり触らせてもらっていました。 なんだかご利益がありそうで(笑) 元気な時から面白い人でした。 いつも冗談ばかり言って ちょっとした意地悪をしたり いたずらをして皆を笑わせていました。 おばちゃん(奥さん)の言うことをきかないで 困らせていると周りのみんなに怒られて でも気にせず飄々として。 いつも同じ堂々巡りの戦争体験話が おじちゃんの十八番で 始まるとみんな長丁場になるのを覚悟して聞きました。 親戚でご飯を食べる集まりに まだおじちゃんが当たり前のように参加していた頃。 貸切った料理屋さんで楽しく歓談して 帰ってきたおじちゃんの胸ポケットから お猪口や小皿がポロリと出てきたり。 「俺は知らんよ。勝手にポケットに入ってきた」 としらばっくれますが絶対に確信犯。 一日中ぐっすり眠ってるようでいて 絶対周りの話は聞こえてる。 わざと知らんぷりしてるような感じ。 返事も相槌も打たないけど 答えたいときだけ答える。 言いたいことを言いたいときだけ言う。 そんな入院生活でした。 たまにみんながふざけて 「犬も歩けば?」と話しかけると 目を閉じたまま「某に当たる」しっかりと答えます。 面白がって次々と「のれんに?」「ぬかに?」「百聞は?」と聞くと 「腕押し」「くぎ」「一見にしかず」とちゃんと言えます。 おじちゃんめ~好きに生きてるな~と笑ってしまう。 看護婦さんが食べさせてくれるときはあまり食が進まなくても お昼に家族が来て食べさせるとしっかり完食。 本当に好きなようにやっているのです。 そんなおじちゃんが大好きでした。 みんな、大好きで大好きで ここにいなくてもいいから 病院で寝たままでもいいから いつまででもいてほしかった。 でも、順番が回ってきたようです。 静かに 最後までしずか~に おりこうさんに息を引き取りました。 全然苦しまなかったし 家族みんなが駆け付けてお見送りできたそうです。 おじちゃんの遺影は ちょっと芸術家気取りの 絵描きさん風のハンチング帽姿。 かっこいいじゃんおじちゃん。イケてるよ。 生きてる時から仙人のような不思議な存在だったから 死んでも死んだ気がしない。 とりあえず、これからは朝晩のお祈りの時に 無理難題をお願いするからよろしくね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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