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https://news.yahoo.co.jp/articles/2aa83b86c1db5c6cf1a2b5a7dfab063ff5d504bd
経済活動に中立的な実質長期金利(自然利子率)は、アメリカの場合、1.95%ということになる。そして物価上昇率が2.52%だから、中立的な名目長期金利は、これらの和である4.47%ということになる。 アメリカの10年国債の利回りはほぼ4%なので、ほぼバランスの取れた姿になっていると考えることができる。 日本の場合(図表1の「日本」の欄)はどうだったか。 平均実質経済成長率は0.65%だ。また、消費者物価上昇率の現実の平均値は0.36%だった ところが、日銀はこれまで、物価上昇率を2%程度にすることを政策目的にしてきた。 一方、2016年のイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)導入以降、長期金利については、「0%近傍」に維持することを誘導目標として金融政策を行ってきた。 実質成長率が0.65%であることを前提にすれば、経済活動に中立的な実質長期金利の水準は0.65%ということになる。そして物価上昇率を2%にしようというのであれば、名目長期金利の水準は2.65%でなければならない。 それにもかかわらず、長期金利の目標値を0%とするのは、過剰な金融緩和だということになる 繰り返すが、実質成長率が0.65%、物価上昇率2%、長期金利0%というのは、整合性のとれない経済の姿であり、「あり得ない経済」だ。 植田日銀になって、長期金利の誘導目標は変動幅拡大や上限撤廃などの「柔軟化」で「1%超え」は容認されているが、それでも低すぎることに変わりはない。 日銀は、「あり得ない経済」を求めて、過度の金融緩和を行なってきたのだ。 長期金利を低く固定していることが、円安を通じて物価上昇率を高めたことになる。 さらに最近では、前回本コラム「株価最高値の陰で『スタグフレーション』に落ち込んだ日本、春闘高賃上げは”悪循環”」(2024年3月14日付)で指摘したように、「賃金上昇が製品価格に転嫁される」というコストプッシュ型のインフレが起こっている可能性もある。 ● 従来の成長率と2%物価目標前提なら 長期金利は2~3%程度になる必要 3月の政策決定会合では、今後、金融政策は伝統的な短期金利を主体にした市場調節によることになったが、今後、金利の正常化はどこまで進められる必要があるのかを考えることにしよう。 実質経済成長率としては、今後の経済政策によって引き上げることが可能だが、ここでは、これまでどおり、0~1%程度と考える。そして、物価上昇率は日銀の目標どおり2%を取ることにする。 すると、あるべき名目長期金利の水準は、2%ないし3%程度ということになる。現在、10年国債の利回りは0.7%程度だから、かなりの引き上げが必要になる。 長期金利をこれだけ引き上げても、アメリカとの間ではなお金利差がある。だから、円安が進む可能性がある。ただし、従来よりは金利差が縮まるので円高になる可能性もある。また、アメリカが大幅な利下げを行なえば、かなり顕著な円高が進むだろう。 日銀が保有する膨大な国債が値下がりするため、時価で評価した日銀の資産が大幅に減少する。日銀が債務超過状態に陥るのはおそらく避けられないだろう。ただし、これが、日銀の業務執行上の重大な障害になるとは考えられない。 「脱デフレ」で金融緩和ばかりが強調され、経済の構造改革を通じて成長率を高めるための有効な政策が行われなかったことだ。これは、アベノミクスで「第3の矢」として必要性が言われたことだが有効な手はほとんど打たれなかった。多くは成長性の少ない既存産業や中小企業支援の補助金だ。 これでは収益率の低い投資が行われることになり、潜在成長率はかえって低下してしまう。経済構造の改革は、補助金によって実現されるのではなく、むしろこうした無駄な補助金を見直すことによってこそ実現されるものだ。 >日銀が債務超過状態に陥るのはおそらく避けられないだろう。ただし、これが、日銀の業務執行上の重大な障害になるとは考えられない。 日銀が政府の子会社で地方銀行は孫会社に相当すると考えられる 地方銀行の破綻=日銀の破綻 になっちゃうんじゃないですか 野口悠紀雄の記事が長いんだけど 長期金利を2~3%程度にしないとインフレが止まりませんよ ということなんでしょう 赤字国債の発行をゼロにしないと始まんないような気がするけど お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 26, 2024 03:33:19 PM
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