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カテゴリ:読んだ本いろいろ
わが国では『テス』 で知られるハーディーの傑作『ダーバヴィル家のテス』。 1979年製作のポランスキー監督ナスターシャ・キンスキー主演の映画 はあまりにも有名ですね。
とても原作に近い『テス』の再現かも。 もっさりした野暮ったい田舎娘の雰囲気 (あえてそう演出しているのでしょうが)、 高画質なせいか主演俳優さんたちの顔のそばかすまでくっきり映っている、 キャラクターに生気もたせるリアリズムでしょうかね。 さもありなん。 (なんで、そこまで罪悪感 感じなくていいのに、テスは被害者なのに) では、どうすればよかったのか というと・・・正解出ないまでもあれこれ考えたくなります。
お母さんが結婚直前によこした忠告 (幸せになるために過去の不幸な出来事は決してうちあけてはいけません) は妥当ではないかと思ったり。 許しをえるまで救われない と罪の意識にとらわれ続けるのがテスのピュアハートな所以なのですが(悲)。 改悛した夫が迎えに来るのが遅すぎて、 アレック・ダーバヴィルのお妾にされているテスとの再会。 悲しい一瞬の再会と永遠の別れ(ストーリーの進行は、結果としてその通りなのですが) と思いきや一転してサスペンス調。 貢がれたものやお金ありったけ持って二人で逃げればよかったのに) フランスかアイルランドに高とびすればいいものを、 快適な無人の貸別荘に数日逗留したりして、 ほんとに逃げる気あるの?? 明日のない愛であってもすこしでも堪能したい一途さなのでしょうが 逆らわずに引きずられるエンジェルはどうにもだらしない、 こんな度量も器もない 世間知らずの頼りないぼんぼん をテスがひたむきに命がけで愛するのか、よくわかりませんでしたが はたと思い当たりました。 直情的な気質過ぎて ときに無鉄砲で刹那的で無計画 ついでに言うと、アレック役の俳優さん、 サイコでモラハラ、粘着質な雰囲気が出ていて 上手いなあと思いました😃。 道楽息子で放蕩青年であれ、 資産家で二枚目で教養もあり 原作読んでいるだけでは 貧しい田舎娘のテスが なぜ彼をけぎらいするのかわかりませんでしたが、 (これじゃあ潔癖な若い女の子は嫌悪感もつだろう) と納得のきもちわるさ(ごめんなさい😅)。 みてたのしんでいたとか??) と、推測。 テスなきあと、エンジェルがどうなったかも気になる、 テスの希望どおり テスの妹のライザ・ルーと結婚して幸せにくらした ・・・とは、どうも思えない😢、
処刑された娘 の家族となれば、田舎で今まで以上に後ろ指さされる つらい現実がふりかかってくるであろうに この頼りなげなぼんぼんが全てひきうけて面倒見る (まがりなりにもころされたアレック・ダーバヴィルは実践していた) 可能性はうすいような・・・(悲)。 (アフリカか、オーストラリアかわかりませんが)逃亡しそうな気がする。 このエンジェル役の俳優さんに、『マノン・レスコー』の デ・グリュー役をやってもらいたいほどです💗。 あと、ポランスキーの映画をみていたときは気づかなかったのですが この原作に忠実なBBC版『テス』を観賞していると、 原作者のキリスト教世界観への皮肉がすごいなと思いました😵。 アレックに手込めにされて産んだ赤ちゃんは私生児という理由で 洗礼もうけられず、そのまま亡くなってしまい、 正式なお墓さえ建ててやれないことでテスを悲しみのどん底へつきおとす。 そのテスが愛したのはぐうぜんにも牧師の息子、 進歩的で信心にとらわれない革新的な青年と思いきや 妻にうちあけられた過去を受容できない包容力ない男。 過去の不品行を恥じて一時は聖職者修行していたはずのアレックは テスと再会するやいなや元のいかがわしい人物にもどってしまう。
かんぐってしまいそうなオンパレード(悲)。 オープニングで テスとエンジェルがお互いを見初める村の踊り は、先史時代のケルトの祭り、 ラストでテスが最期の輝かしい朝を迎えるストーンヘンジも キリスト教以前の古代遺跡。 人気ブログランキング 本・書籍ランキング にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.04.27 12:18:28
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