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カテゴリ:読んだ本いろいろ
『青き炎』 で思い出したので・・・ で時期的にもまさしく 『バブル時代』を体現するマンガだったと思います。 大学生ながら 同級生のおばさんにあたる 親子ほど年齢差のある 未亡人の資産家女性と結婚、 ドライブ事故にみせかけて彼女をなきもの
土地の値下がりで所有する不動産を次々手ばなしても 莫大な税金と負債の充当にとうてい足りず 天国から地獄へまっさかさま。 このあと主人公はあっけなく自滅して最終回。 となるのですが 時事にそって、バブル凋落の悲劇 をクライマックスにしても それなりに傑作になったのでは と思ったら、
ありふれているのか 理路整然とレビューになさっているかた、みつけました。 同じく 柳沢きみお先生の作品で 1983年~1985年に少年誌に掲載された 『原宿ファッション物語』(旧タイトル・『SEWING』)。 ファッションデザイナーをめざして 地方の高校から文化服装学院にすすんだ主人公 と その初恋の相手で東京の高校に転校してのち ファッションモデルとして活躍するヒロイン を軸に 描かれる青春群像なのですが 少年漫画で、柳沢きみお先生が 『服飾業界』をテーマにした作品発表していらっしゃったことにおどろきました。 きっと女性の漫画家さんなら 華やかなデザインやコスチューム、体型に合うコーディネート のようなビジュアルを全面にだしてきそうですが 『ファッション』を『ビジネス』の観点から とらえているのが印象的でした。 まがりなりにもインディーズブランドをたちあげたり、 コンクールの最終選考を競ったり スポンサーを獲得したり離反したり・・・ 文化服装学院では毎日ぼう大な課題と格闘、 しかし「プロ」のデザイナーとなれば 1週間に100型をデザインしなくてはならなかったり、これまた比較にならない厳しさ。 夢をつかむものあり、あきらめて田舎に帰る人もあり、 挫折してもあらためて再起をめざすもあり・・・ 少年漫画なのであくまでライトですが 現実はもっとドロドロしてるんだろうなと、身につまされます。 「服が好き」(は、根本なのですが)なだけではやっていけない世界。 実力と才能があってなおかつ強運の持ち主がのこってゆく。 「ちょっと気が弱くて不器用だけど根は一途で生真面目な好青年」 な主人公はじめ登場人物にだれも悪人がいないので 安心して読めて読後感も良いです。 1980年代前半の時代の空気もありそうですね。 柳沢きみお先生の 画風も作風も大きく変貌してゆくわけですが・・・ どちらも「若さ」の側面を照らした作品だなあ。 人気ブログランキング本・書籍ランキング にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.07.31 17:07:46
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