母と一緒に目黒区立美術館へ。区立美術館なのでたいしたことないだろうと侮っていたのですが、作品の質、量、展示の仕方などすばらしさにびっくり。 目黒川沿いで、桜は満開。にもかかわらず、人がぽつぽついるだけ。好きなだけじっくりと眺めていられました。 ビュッフェの精神性が強く表現された初期作品の展覧会。 「神と人」というコーナーがありました。戦争の悲惨さを描いた作品、 「キリストの降下」など。キリストの十字架の前に立つ人たちはコートを着た現代人。キリストの十字架は今の時代にもあるというメッセージのように 感じました。コート姿の親子連れ、第2次世界大戦後の時期、ユダヤ人収容所を思い浮かべました。セピア色で色味が抑えられ、線や構図がより強く訴えかける 絵に圧倒されました。 全てが細長く縦にのばされてしまって黒の縦線が際立ちます。 晩年の特徴あるけど商業的な絵と比べ、激しさに圧倒されました。 展覧会に行くと、まず作者の年表をまずゆっくり読みます。今回はビュッフェと『木を植えた男』のジャン・ジオノの年表がひとつに重なっていてわか りづらく何でだろうと思って読みました。画家と作家の深い交流と『純粋の探求』挿絵というつながりがあり、その挿絵版画が展示されてました。 同時開催が藤田嗣治展。 荒縄で縛られた殉教者。繊細な線で描かれているのに力強いまなざしがせまってきます。 藤田の作品は透明感のある女性の肌がなまめかしく感じられるのが不思議です。猫の絵も自画像もあり、ラッキーでした。 同じサイズだった10人の赤ん坊と10匹の動物の絵。同じ頃に描かれた2枚の絵は構図や筆遣いなどさまざまな共通点があり、作者の意図はどうなっ ていたでしょうか。 GHQに所属していた友人宛の絵手紙を楽しく読みました。
帰りには目黒川べりを散策。桜のトンネルを母と一緒にたっぷり歩きました。