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カテゴリ:読書
雷電本紀以前に読んだ『始祖鳥記』や『黄金旅風』がとても面白く、すっかりお気に入りの作家となったのが飯嶋和一さん。 そんな彼の著作のひとつ『雷電本紀』を読み終えました。 江戸時代に実在した相撲取り、雷電為右衛門の生涯を中心に彼と関わる人々の生き様を描いた作品なのですが、本作も本当に面白かったです。 長い伝統の中で、様々な人々の私利私欲が渦巻くようになった相撲の世界の中で、全てを相撲にかけて、全力で闘う姿に江戸の人々も毎日を生きる希望を奮い立たせられる・・・。 自分が時代小説を読んでいて、一番面白いと感じるのは、こういう人間の力の逞しさを描く描写なのです。 一見華やかに見える江戸の街も裏側を覗けば困窮し、格差に苦しむ人々の様。 そんな苦しい中にも必死に生きる何かを求めるような姿に、何とも言えぬ勇気のような物を貰ったような気分にさせてもらえるのです。 そして、自分でも驚いてしまったのですが、作品中のある場面を読んでいたら、思わず涙が出そうになる程感動してしまった事でしょうか。 読んでいて面白いと感じられ、感動に涙腺が熱くなったり、勇気をもらえたように思える。 ここまでさせてくれる作品も、そうそう出会えないと思うので、またもう一度読み直したいと思える一冊になりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.01.23 17:30:39
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