G7主要七カ国の財務相・中央銀行総裁会議が財政政策の前倒し出動を含んだ声明を発表した、ぐずぐずするなと言うわけである。原因の金融規制はプロシクリカルな側面の抑制程度。また米国ではニューディール連合とはいかなかったが、約72兆円規模の減税や財政出動を行う景気刺激法案が成立した。もっとも米国の実体経済の雄、自動車産業の危機は著しく、会社更生法の適用がたえず表面化する状態である。本来の米国ならば「政府の失敗」にはとても敏感で、ワシントンの奴らの企みといった、疑いの目を向ける向きが多い。でもやっぱりというかこの法案には「バイアメリカン条項」が入っており、保護主義も極みである。これで大不況時の主役、財政出動と保護主義のセットが揃ったのである。やっぱりこれになるしかないのでしょうな。発展途上国に対してはこういう時でも、もはや指導力が地に落ちたIMFではない。(アジア金融危機で破綻した国々を締め上げたメンツは今回のオバマ政権のしっかり入っている。サルコジさんはもっと素早い。自分たちの場合はかまわないということでしょうか)でも信用があるわけではなく、新たな国際金融機構の創設がやはり求められている。果たしてG7先進国の従来型だけでは、為替のような波及性の早い政策なら協調もできるが、ラグを伴う実体経済の雇用まで傷が深くなった場合に政策実施の協調までは大変である。日本なんてまだ二兆円規模の定額給付金をいじっているのだ。やはり国民国家のレベルでの各国政府が主導となった政策パッケージを議会がのろのろということになる。政府の失敗と市場の失敗このどちらからでも議論は可能であるからだ。確かにお金だけみればグローバルだったし、マクドナルドのハンバーガーも世界中で売ってるけど、こういう危機の事態には再び国民国家が表舞台に姿を現す、その意志決定が問われるのである。(画像は日本流に言うと故下村治さんみたいなペシミスト派のかたでしょうか。金融危機の予言者ルービニ氏)