やっぱナイ氏なんだろうかね
駐日米国大使というポストは功成り名を遂げた米国の政治家の方、大統領の側近などが静かに回想に浸り、式典に臨むという役割を果たすポストになっていきつつあると思っていた。安定した日米関係はブレジンスキーばりには属国か属領での老後を可能と考えるレベルのものだった。オバマスタッフというにはすこしはみ出てレベルのかたがこのジョセフ・ナイJr氏であろう。下馬評の上院長老ではなく、まだまだ枯れるには早い方がやってくる。むしろ国務省かホワイトハウスでのポストをご希望だったろうけど、もうほとんど埋まってしまっていた。それぞれの分野でベストアンドブライテストをあてがうオバマさんがナイ氏に白羽の矢を立てるには、やはり同氏が知日派という扱いだからなのだろう。かなり前になるけど、夏休みにハーバードに行ったとき一度だけ国際政治の著名な方を集めての対談のような講演を聴きに行った。まだ若くすらっとしたいかにも品のよい東部のエスタブリッシュ的な印象の方であった。当時のナイ氏の先輩格の学者が多かったせいかあまり多弁ではなかったし、話したことは全く忘れてしまった。その後、カーター政権やクリントン政権に次官補を務め、ナイ・イニシアティブで冷戦後の日米安保不要論を封じ込めすっかり日米安全保障の専門家であるかのように扱われている。ご本人には不満だろう。おれは日米関係のスペシャリストなんかではなく、なんでもできるんだぞと。氏の書いたものは結構目を通してきているワケだけど、いつも多面的な配慮が行き届きすぎる位で、結局どっかで要はなんだといいたくなるのだが,そうするとあれもこれも何でも要求されそうでやっかいなんじゃないかと思う。ソフトパワーというより日本に対してハードパワーの整備肩代わり要求も直裁だろう。でもそれを根付かせるソフトお金にも配慮せよと、運びも世論の反発を招かぬようにスマートにやれと、なんかまた日本に外交と民主主義を教えてやる先生的なことになるのではないだろうか。(画像はハーバードケネディスクールより)