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カテゴリ:日本レンゲの会
レンゲ栽培適地第七版 ~佐藤芳博の体験から~ 2022年9月12日 1.播種適期は、気候と水稲の作期によって異なり、低温に遭遇して発芽しやすくなる、霜の降りる1~1.5ヶ月位前で、一日の気温差が10℃位になる頃、田圃を歩いてやや柔らかく足が少し沈む程度で、多少の湿り気が必要です。 2.発芽直後に乾燥が続くと、根が土中にもぐる前に枯死するので、播種後に熊手(レーキ)などで地面を均し、乾きすぎている場合は軽く散水して下さい。乾燥しがちな田圃では、水路から水を引き込み、全体的に多少の湿り気があるようにして播種して下さい。発芽後に乾燥しかけたら、多少の水を引き込んで下さい。 3.マメ科植物に寄生する根粒菌は空気中の窒素を肥料として使える形にするので、発芽後3週間の過湿を避けるため、発芽の時間差を考慮して播種後1ヵ月程の間、排水路を設けて下さい。その部分には、周囲のレンゲが横に茎を伸ばしてから太陽に向かいます。 4.夕方小雨が降りそうな日に種蒔きすると、雨で種と土がこすれて発芽しやすくなり、発芽後、多少湿り気のあるうちに根が土中に潜って双葉、三つ葉、五葉まで成長し、過湿を避ければ翌早春から一気に茎を伸ばし綺麗な花を咲かせます。種と同量の砂を混ぜて傷をつけてから、根粒菌を塗すと発芽しやすく生育が良いです。栽培したことが無いところでは、市販のレンゲ根粒菌が必要です。風が強くない時は、空中に放り投げるようにすると土に刺さりやすく発芽しやすいです。風が強い場所では、横一列に並び、種・根粒菌・砂を擦りながら蒔き、その上を、歩幅を狭くして前進すると種を踏み、発芽を促進します。 5.寒冷地では土の一寸した窪みに雪解け水が溜まり、レンゲが凍結し枯死するので、播種場所に小さな溝か段差をつけ排水に留意して下さい。 6.山砂で埋めた土地には養分と根粒菌が無いので、レンゲを栽培したことのある農耕地の土に種を入れて団子状態にして、種蒔きしないと成長しません。 7.ナメクジやカメムシの発生で、柔らかい葉、蕾、花を食べられることがあるので、極度の湿気、日陰を避け、日当たりの良い場所を選んで下さい。日照時間が長い程、生育が早いので、朝から夕方まで太陽の日差しが当たる場所が適しています。ナメクジ対策にはビールが適しています。夜、米の研ぎ汁を石やコンクリートの側に置くとかなり集まります。 8.蕾や花を食べ、他の草の種を運んで来る小鳥が止まりやすい植木、灯篭、置石などの周囲を避けて下さい。成長が早い他の草を抜くと、レンゲの根が傷むので、背丈が伸びる前に根元から切り取って下さい。 9. レンゲは、他花受粉(他家受粉・他家受精)で他の種から出来た花とでないと受粉しません(人工的に自家受粉した試験結果有)。ミツバチ等の蜂類、モンシロチョウ、モンキチョウ等が受粉してくれるので結実し、採種が出来る様になります。それらの生き物たちが飛び交う環境では、レンゲの受粉による花の色の変化を楽しむことができます。 10.これらの条件を総合すると、田圃以外では、日当たりが良く、適度の湿気と肥沃さを保っているやや傾斜した畑や庭が適していると言えます。 以上 安江多輔編著『レンゲ全書』参照 ©2022 日本レンゲの会 佐藤芳博 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.09.25 00:00:25
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